佐野勇斗、『くちびるに歌を』からの10年を振り返る 「20年に感じるくらい、すごく良い10年」

「ゴールデンタイムで主演をやりたい」

――このドラマを経て、ご自身の中で変化したことはありますか? たとえば食生活が変わったとか……。
佐野:僕、食事に本当に興味がないんですよ。ただ、ちょっとだけ意識するようにはなりました。というのも、環奈は食事が好きで、健康にいいものを食べているんです。今回の現場で朝ご飯もお昼ご飯もしっかりと食べているのを見て、それもあって1年間乗り切れたのかなと僕は感じたんですよね。なので、今まで仕事がある日のお昼にはハンバーガーとかラーメンとか好きなものを食べていましたけど、(ドヤ顔で)今日もサラダと肉にしました。タンパク質と野菜をとったほうがいいよなって、最近ちょっと気を付けています(笑)。
――素晴らしいです(笑)。あらためて、佐野さんにとって翔也はどんな存在ですか?
佐野:どういう存在かと聞かれると難しいですけど、本当にまっすぐで、一つの物事に対してちゃんと誠意を持って頑張れるし、周りからも好かれる存在だし、すごくいい子だなと思っています。念願の朝ドラでしたし、やっぱり愛着もありますね。
――「朝ドラ出演が夢だった」と前々からお話されていますが、ひとつ夢が叶ったことで、新たに見えてきたことはありますか?
佐野:“新たに”は正直ないです。もともと「朝ドラをクリアしたら次はここ」という目標があるので、それに向けてまた進んでいく感じですね。俳優としても、M!LKとしても、僕の中ではすでに階段が決まっているので、これからもステップアップしていきたいですし、翔也と同じくもしそれがダメでも、また別のやり方で上を目指していきたいなと思います。

――目標というのは?
佐野:「ゴールデンタイムで主演をやりたい」とはずっと思っています。順序で言うと「朝ドラをやってから」とは思っていませんでしたけど、今回朝ドラという目標を叶えられたので、次はゴールデンタイムで主演をやらせてもらって、次はその主題歌をM!LKで歌わせてもらいたい。俳優とM!LK、両方の活動が徐々に混ざり合っていけたらいいなと思っています。
――俳優デビュー作の映画『くちびるに歌を』は2015年2月末公開なので、それからちょうど10年が経ちました。
佐野:えっ! そうか、そうなんですね。本当だ(笑)。
――(笑)。感覚としては早かったですか?
佐野:いや、「まだ10年か」ですね。20年くらい前に感じます(笑)。そう考えると、相当濃い日々を過ごさせてもらっているんだなと思いますね。普通に生活していたら味わえないような出来事もたくさんありますし、ちょっと表現が難しいですけど、日々ストレスをかけながら生きているというか。筋トレでも負荷をかけなければ筋肉は大きくなっていかないので、いい意味で「きついな」と感じながら、この10年やってこられたなって。その分、成長もできていると思うし、20年に感じるくらい、すごく良い10年だったんだなと思います。今は『くちびるに歌を』の芝居とか見てられないですから(笑)。監督は「そのときの良さがある」と言ってくれていますけど、恥ずかしいものです(笑)。

――演技に対する考え方も、当時とは違いますよね?
佐野:徐々に変わってきています。そう考えると、“朝ドラを通して変わったこと”のひとつに、芝居に対する向き合い方もあるかもしれないです。今ちょうど、「また初心に戻って考え直さなきゃいけないな」と思っているところなので。
――とてもお忙しい中で、「やっぱりこの仕事が好きだなぁ」と思う瞬間はいつですか?
佐野:やっぱり街中で「見てるよ」とか「元気がもらえた」とか声をかけてもらったり、スタッフさんから「面白かった」と言ってもらえたりしたときですかね。あとは家族が自分が携わった作品に触れて、本当に喜んでくれる姿を見たときですね。
――これからも『おむすび』が描いてきたように、人を思いながら活動されていくんですね。
佐野:そうですね。やっぱり自分の活動を通して誰かに楽しんでほしいですし、楽しませられたらいいなと思っています。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、北村有起哉、麻生久美子、新津ちせ、大島美優
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK





















