岡田将生&ディーン・フジオカに香港のファンが熱狂 日本映画も世界で飛躍の時へ

AFAで示した日本映画の存在感

日本映画期待の若手作家が香港に集結

(左から)空音央、栗原颯人

 今回のアワードには、2024年の日本映画をわかせた、期待の若手監督3人が揃って参加していたのも注目に値する。『ナミビアの砂漠』の山中瑤子と『ぼくのお日さま』の奥山大史が新人監督賞に揃ってノミネート、『HAPPYEND』の空音央は、初主演の栗原颯人を新人俳優賞に輝かせた。

 若い才能が揃って国際舞台の場で評価されたことは、今後の日本映画界にとって大きな財産だ。彼ら・彼女らのような才能を活かせる場をいかに用意できるのかが、日本映画界には問われることになるだろう。

(左から)奥山大史、池松壮亮

 池松壮亮は、自身を本アワードの助演男優賞候補に押し上げてくれた奥山大史監督に対して、「本当にうれしい限り、新しい時代を象徴する才能だと思う。僕が観客の人よりも僕が一番そのことを知っているという自信がある。こうして、香港に奥山監督という才能を見せられることにものすごく感動している」と、その才能を惜しみなく賞賛していた。

 またベテラン、中堅の三宅唱は『夜明けのすべて』で脚本賞にノミネート、前述の通り吉田大八監督は監督賞に輝いた。吉田監督は受賞に際して「皆さんも驚いていると思うが、自分も一番驚いている。若い時から愛読していた、筒井康隆先生の小説を映画化するという幸運に恵まれ、それを信頼できるスタッフたち、素晴らしい俳優たちと一緒に創り上げるという監督としては最高に恵まれた体験だった」と喜びを表現した。

吉田大八

 日本映画は今後、世界の舞台に積極的に出ていく必要がある。今回集まった作品を見ればわかる通り、アジア映画のレベルも年々上がってきており、その中で存在感を発揮できるベテランも若手も日本には揃っている。監督も俳優もスタッフも優秀なスタッフが揃っている、日本映画に足りないのは予算くらいだ。アジア最高の映画賞でも存在感をこれだけ発揮できるなら、世界と堂々と戦えるはずだ。

■イベント情報
「アジア・フィルム・アワード・アカデミー」
会場:ザ・ランガム・香港
特別協力:アジア・フィルム・アワード・アカデミー
概要:アジア・フィルム・アワード・アカデミーは、釜山、香港、東京の国際映画祭によって設立された非営利団体である。毎年開催されるアジア・フィルム・アワードに加え、同アカデミーは、アジア映画をより多くの観客に紹介し、アジアにおける映画市場を拡大し、香港内外の映画関係者のつながりを育むことを目的に、年間を通じてイベントやプログラムを開催している。アジア・フィルム・アワードは18年間開催されており、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀男優・女優賞などの賞を授賞している。アジア・フィルム・アワードでは、毎年、過去のノミネート作品や受賞作品で構成される投票パネルが参加し、全カテゴリーの受賞作品を決定している。また、パネル・メンバーは、アジアや世界各地でアカデミーが主催するイベントに参加し、業界関係者や観客と交流する機会もある。

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