『鬼滅の刃』はなぜ何度も映画化されるのか? ufotableと日本劇場アニメ史の集大成

配信と映画の垣根を超えて展開する『鬼滅の刃』

テレビ・配信・映画館、これらのウィンドウに作品をどう出していくのか、映像産業でどうバランスを取るべきか、課題となっている。特に配信と映画の綱引きは世界的な課題と言える。
配信サービスのオリジナル作品は、とりわけ映画館向けに制作された映画の立場を脅かす存在だ。映画並みの巨額の予算を投入し、実際にクオリティが「劇場作品」並みの作品が自宅にいながらにして観放題だ。アニメに限らず、実写の世界でも映画レベルの映像作品が配信で大量に生産されている。日本アニメがテレビシリーズであっても、映画並みのクオリティを求められるようになっているのは、グローバルな市場でそれらの作品と横並びで競争が生じているからだろう。
劇場クオリティの映像ならば、映画館で観たいと筆者は思ってしまう。せっかく作った劇場クオリティを劇場で味わう機会というのは、NetflixやHBOのドラマにはないのだ。例えば、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』を筆者は映画館で観たい。しかし、アメリカの配信・テレビの作品は、劇場で上映しても恥ずかしくないクオリティなのに、劇場展開に積極的ではない。
その点、日本のアニメは劇場クオリティの映像を配信やテレビだけでなく、映画館で観せてくれる機会があるので恵まれていると言える。映像のクオリティという点で配信と映画館向けの作品にはすでに垣根がなく優劣もつけがたくなっている時代、『鬼滅シアター』のような試みは、世界的にもっとあっていいのではないか。
『無限城編』への期待
そして、もちろん『無限城編』も映画として公開する以上、高いクオリティを期待したい。クオリティのみならず、『無限城編』には興行成績でも新記録の樹立を目指してほしい。国内だけでなく世界累計でも、ハリウッドの大作並みの成績を出してもらいたい。『鬼滅の刃』はすでにそういうステージにいる作品ではないかと筆者は思っている。
■公開情報
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』
7月18日(金)全国公開
キャスト:花江夏樹(竈門炭治郎役)、鬼頭明里(竈門禰󠄀豆子役)、下野紘(我妻善逸役)、松岡禎丞(嘴平伊之助役)、上田麗奈(栗花落カナヲ役)、岡本信彦(不死川玄弥役)、櫻井孝宏(冨岡義勇役)、小西克幸(宇髄天元役)、河西健吾(時透無一郎役)、早見沙織(胡蝶しのぶ役)、花澤香菜(甘露寺蜜璃役)、鈴村健一(伊黒小芭内役)、関智一(不死川実弥役)、杉田智和(悲鳴嶼行冥役)
原作:吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:外崎春雄
キャラクターデザイン・総作画監督:松島晃
脚本制作:ufotable
サブキャラクターデザイン:佐藤美幸、梶山庸子、菊池美花
プロップデザイン:小山将治
美術監督:矢中勝、樺澤侑里
美術監修:衛藤功二
撮影監督:寺尾優一
3D監督:西脇一樹
色彩設計:大前祐子
編集:神野学
音楽:梶浦由記、椎名豪
総監督:近藤光
アニメーション制作:ufotable
配給:東宝・アニプレックス
©︎吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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公式サイト:https://kimetsu.com/anime/
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』公式サイト:https://kimetsu.com/anime/mugenjyohen_movie/
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