『おむすび』“永吉”松平健が歴代朝ドラヒロインの祖父と違う点 唯一無二のユニークさ

2019年度前期の『なつぞら』に登場した祖父は、ヒロイン・なつ(広瀬すず)とは血の繋がらない泰樹(草刈正雄)だ。泰樹は北海道・十勝の音問別にある「柴田牧場」の牧場主で、婿養子の剛男(藤木直人)が引き取ったなつに厳しく接し、養う代わりに早朝から働くように命じたが、熱心に働くなつに愛着を感じるようになり、彼女を牧場の後継者にしようと考えたほどだった。泰樹は、厳格だが優しい面のある祖父として描かれた。
2018年度前期の『半分、青い。』の、ヒロイン・鈴愛(永野芽郁)の祖父・仙吉(中村雅俊)は、食堂を営むユニークなおじいちゃんで、少しだけ『おむすび』の永吉のイメージに近いかもしれない。フォークソングが好きで、アコースティックギターの弾き語りを嗜んだり、囲碁が好きだったり。鈴愛の良き理解者で相談相手となっていた仙吉は、五平餅作りが得意で、鈴愛に作り方を伝授。演じる中村のチャーミングな魅力が存分に生かされていた。
2017年度前期の『ひよっこ』の、ヒロイン・みね子(有村架純)の祖父・茂(古谷一行)は、農業に勤勉で口数が少ないおじいちゃん。だが、みね子をかわいがり、相談にも乗ってくれる茂は、常に家族を優しく見守ってくれる大黒柱といったイメージだ。今は亡き古谷の好演は、いつまでも素敵な祖父像として心に残っている。

歴代朝ドラの祖父たちの中でも、抜群の行動力がある永吉。「相田みつをに書を習った」「『トラック野郎』は俺がモデル」「初代・引田天功のアシスタントをしていた」「王貞治に一本足打法をアドバイスした」など、ホラばかり吹いている永吉だが、ユーモアもたっぷりのおじいちゃん。“ユニークな祖父ナンバーワン”の永吉は、妻・佳代に言葉では伝えられない感謝を、カラオケの十八番である加山雄三の「君といつまでも」を歌って示す愛情もある。そんな永吉を快演する松平は、第21週も視聴者を楽しませてくれるに違いない。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、松平健、仲里依紗、宮崎美子、北村有起哉、麻生久美子、佐野勇斗、キムラ緑子
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK






















