武道家ライターが観る『SAKAMOTO DAYS』 坂本の強さの秘訣を真剣に考えてみた

昔、筆者が選手だった頃の前日計量の話だが。対戦相手がガリガリのフラフラで現れた。相当減量がキツかったことが伺える。体脂肪率も5%ぐらいになっていたのではないか。今にも倒れそうな状態であり、筆者は勝利を確信した。
そして翌日、あんなにガリガリだった対戦相手は、別人のように膨張した体で現れた。筋肉はパンパンにパンプアップしており、うっすら脂肪まで乗っていた。前日に67㎏でパスした体重は80㎏ぐらいになっており、体脂肪率も5%から15%ぐらいに上がったように感じた。1.5倍ぐらいにふくらんで見えた。計量パスの直後から、相当ドカ食いしたと思われる。
減量直後にドカ食いができ、それをそのまま肉体に反映させるには、相当な内臓の強さが必要だ。内臓弱めだった筆者は減量直後には量が食えず、体重も2~3㎏しか戻らなかった。昨日は同じ体重だったのに今日は10㎏差という有様であり、筆者は敗北を確信した。事実1分ほどで負けた。

一晩でパッと見20㎏以上のリカバリーができる坂本の内臓の強さは、驚異的である。殺し屋ではなく格闘家の道を選んでいても、大成したに違いない。
本作は、主人公・坂本だけではなく、サブキャラたちも魅力的だ。特に読心術使いのエスパー・シンは、他作品なら主役を張っていてもおかしくないキャラである。毒使い・タツとのジェットコースターバトルは、高所恐怖症なら正視に耐えないほどにスリリングだった。物語序盤のハイライトと言えるだろう。
当初は「元・殺し屋のほんわかライフ」だと思って観はじめた今作だが、物語は徐々に笑えない方向にシフトチェンジしつつある。組織を裏切った坂本に、10億円の懸賞金がかけられたからだ。殺し屋たちの強さも危うさもシリアスさも、どんどん上昇していく。原作を読んでいる方なら、わかるはずだ。それに伴い殺し屋バトルの面白さも、天井を突き抜けて上昇していく。もはや坂本に、再び太り直すだけの余裕はない。
■放送情報
『SAKAMOTO DAYS』
テレ東系ほかにて、毎週土曜23:00~放送
Netflixほか各プラットフォームにて配信
キャスト:杉田智和(坂本太郎)、島﨑信長(朝倉シン)、佐倉綾音(陸少糖)、東山奈央(坂本葵)、木野日菜(坂本花)、鈴木崚汰(眞霜平助)、花江夏樹(南雲)、八代拓(神々廻)、早見沙織(大佛)
原作:鈴木祐斗(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:渡辺正樹
シリーズ構成:岸本卓
キャラクターデザイン:森山洋
制作:トムス・エンタテインメント
オープニング・テーマ:Vaundy「走れ SAKAMOTO」(SDR/Sony Music Labels Inc.)
©鈴木祐斗/集英社・SAKAMOTO DAYS 製作委員会
公式サイト:https://sakamotodays.jp
公式X(旧Twitter):@SAKAMOTODAYS_PR
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@sakamotodays_pr






















