『アンサンブル』“瀬奈”川口春奈と“真戸原”松村北斗の関係が前進 “リーガル”要素も復活

一泊二日の出張先で、宇井(田中圭)からプロポーズされた瀬奈(川口春奈)は、「いま好きな人がいる」と言って断るのだが、その“好きな人”である真戸原(松村北斗)は何を考えているのかわからない。しかも元カノの可奈子(横田真悠)との問題もあると。2月15日に放送された『アンサンブル』(日本テレビ系)は第5話。こじれられる方向にとことんこじれてきた“ラブストーリー”要素は一旦置いておくとして、まずは第2話以来3週ぶりに帰ってきた“リーガル”要素についてみていこう。
依頼人としてたかなし法律事務所にやってきたのは、梶野穂花(山崎紘菜)という女性。彼女は5年間も事実婚の関係にあったアパレル会社の社長である南雲(時任勇気)から突然別れを切り出され、財産分与を求めたところ、事実婚関係はなかったという南雲から訴えられてしまったという。事実婚関係を証明できるものは穂花との続柄として「妻」と書かれたマンションの賃貸借契約書と友人の証言のみ。難しい案件でありながらも、瀬奈は穂花の力になりたいというのである。
法律婚とは異なり、解消時にまず“関係性”という部分においてトラブルに発展しやすい事実婚。住民票に未届(婚姻の意思はあるが婚姻届を提出していないだけ)の夫婦として届け出ていればまだしも、フランスのパックス法のように契約書を交わすわけでもなく、双方や周囲からの認識によって成立しうるという曖昧さの問題点が、今回のエピソードでは「自分の気持ちをさらけ出して相手とぶつかってとことん話し合うしかない」という曖昧な教訓に落とし込まれるだけにとどまる。結果的にいえば、依頼人は裁判に敗れるわけだし、“会社の社長”、“一緒にいた5年間”、“突然の決別”という、まるっきり瀬奈と宇井の関係に重ねることができるポイントが揃いながらも、メインストーリーに対する効果はあまり見受けられないのである。
さて、先述の通り宇井のプロポーズを断った瀬奈。宇井が「諦めたくない」というのはまだいいとして、当事者たちをそっちのけで突っ走るのはやはり瀬奈の母・祥子(瀬戸朝香)であり、実に厄介だ。一方で、瀬奈からの返信がないからとわざわざ長野県の旅館まで夜な夜な車を走らせていたことが発覚する真戸原は、別れたはずが別れてないと言い張り、職場までやってくる可奈子に押されっぱなし。二人の出会いの回想シーンでも描かれる通り、付き合い始めるところからすでに可奈子のペースに持っていかれていた真戸原。もうこれは全部、真戸原のはっきりしないところが裏目に出ているといえよう。
そのような感じで周囲にとことん流され続けるメインカップルの二人ではあるが、今回のエピソードのラストでようやく互いの想いを伝え合って関係を前進させる。ただ、真戸原は自分でなんとか一歩踏み出し可奈子に別れを告げることができたのに対し、瀬奈は結局、所長の翠(板谷由夏)のアシストと、真戸原の母・有紀(八木亜希子)から真戸原の“別れが苦手”な理由を聞かされてようやく動けている点が気に掛かるところ。まだこの二人には相当ヤキモキさせられるに違いない。

























