『アンサンブル』松村北斗の真摯なアプローチ 第2話にして見えた想像とは違う方向性

『アンサンブル』北村北斗のアプローチ

 前回、雑誌での瀬奈のインタビューを通して彼女が踏切が苦手だということを知った真戸原は、今回もまたテキストベースで瀬奈の周りのことを知る。厳密にいえば瀬奈を悩ませる宇井のことではあるのだが、そうした瀬奈の表層的な部分には容易にたどり着ける一方で、内面的な部分に関しては真戸原自身が瀬奈の表情などから察し、悩み、同僚や家族に相談し、自分にできることはないかと探して一歩ずつ瀬奈に近付くしかない。そして実際、距離をほんの少し縮めた今回、瀬奈自身の言葉で彼女の考えを教えてもらうに至る。このような恋愛の導入へのプロセスは、極めてシンプルかつ真摯に映る。

 そうしたなかで“違う方向”がよりハッキリと見えたのは、雰囲気重視のスケートリンクでのシーンの後である。瀬奈を家まで送り、後ろ姿を見ながらいつまでも手を振る真戸原の脳裏にフラッシュバックする子どもの頃の記憶。夏祭りの場所で、自分を置いて去っていく母親の姿(となると、居酒屋を経営している両親とは血のつながりがないということなのだろうか)。さらに瀬奈の様子を窓から見つめ、宇井に連絡する祥子。しかもその祥子は宇井の家のハウスキーパーの仕事をしているかのようなシーンも描かれていた。単なる過干渉に見えた祥子に帯びる陰りが、急激にこのドラマに不穏な空気を与えていく。

『アンサンブル』の画像

土ドラ10「アンサンブル」

“現実主義”の女性弁護士と“理想主義”の新人弁護士との恋模様を描くリーガルラブストーリー。

■放送情報
土ドラ10『アンサンブル』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送
出演:川口春奈、松村北斗(SixTONES)、板谷由夏、長濱ねる、じろう(シソンヌ)、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督:河合勇人ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽:澤田かおり
主題歌:aiko「シネマ」(PONY CANYON)
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/ensemble/
公式X(旧Twitter):https://x.com/ensemble_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/ensemble_ntv/
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