結川あさき、坂泰斗、若山詩音ら、2025年の飛躍を予感させる”ネクストブレイク声優”

前田佳織里

　前田佳織里は『ウマ娘 プリティーダービー』のナイスネイチャ役や『ラブライブ！虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の桜坂しずく役で知られる実力派声優だ。2024年、前田の出演作の中で、挑戦的な役柄が大きな反響を呼んだ作品といえば『魔法少女にあこがれて』だろう。同作では、ピンク髪の魔法少女・花菱はるか（マジアマゼンタ）を演じ、全身を拘束されたり衣装を切り裂かれたりと、屈辱的な状況でのインパクトのある演技を披露。

　一方『2.5次元の誘惑』では天乃リリサを担当し、エンディングテーマ曲「Watch Me」も歌唱。その可愛らしい表現はSNSで話題となり、コアなアニメファン以外でも“にごりりダンス”が広まっていった。演技と歌唱、両面での活躍が期待される声優だ。

鈴木崚汰

　『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の黒沢優一役から『妖怪学校の先生はじめました！』佐野命役、『WIND BREAKER』柊登馬役など、2024年も多彩な役柄を演じ分けてきた鈴木崚汰。ハイスペ社会人からクールな男子高校生まで、ジャンルを問わない演技力で、アニメだけでなく恋愛シミュレーションゲームでも確かな存在感を示している。

　2025年の飛躍を予感させるのは、4月からの放送が決定している『ウィッチウォッチ』での活躍だ。『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』で知られる漫画家・篠原健太が描く本作で、メインキャラクターの一人・乙木守仁を担当。魔女修行中のニコと同居することになる、鬼の力を持つ高校生を演じる。『週刊少年ジャンプ（集英社）』で連載中の奇想天外なマジカルコメディで、さらなる演技の幅を見せてくれそうだ。

若山詩音

　『SSSS.DYNAZENON』の南夢芽役、『リコリス・リコイル』の井ノ上たきな役など、数々の人気作品で印象的な役を演じてきた若山詩音は、2024年に、さらに活躍の幅を広げてきた。『甘神さんちの縁結び』では甘神朝姫役を、『負けヒロインが多すぎる！』で焼塩檸檬役を演じたほか、『ダンダダン』では主人公のモモを務め、大きな反響を呼んだ。花江夏樹演じるオカルンとの息の合った掛け合いや、目まぐるしく変化する感情表現の巧みさは、この冬多くのファンの心を掴んだ。

　2025年1月からは、『好きな子がめがねを忘れた』や『デキる猫は今日も憂鬱』などの代表作で知られるアニメーションスタジオ・GoHandsによる完全オリジナル作品『もめんたりー・リリィ』において、“超インドア派 スーパーハッカー”薄墨ひなげし役を演じることが決まっている若山。人気ジャンプ作品での主演を経た、これからの活躍が気になるところだ。

　2024年のアニメシーンを彩り、2025年にさらなる飛躍が期待される5名の声優たちを紹介してきた。昨今では、ドラマや映画などの実写作品への出演、歌手活動など、声優の活躍の場は確実に広がっている。

　その一方で、毎シーズン新作アニメが生まれるたびに、作品を通じて新たな才能との出会いもある。ベテランから新人まで、それぞれの声優が持つ個性や魅力が作品を通じて輝きを放つ――そんな多様な声の競演を、2025年も存分に楽しみたい。