宮野真守が引き出した“懐かしい”マリオ 映画『スーパーマリオ』で迎える最高の大晦日

宮野真守が引き出した“懐かしい”マリオ

 この主役抜擢は、決して偶然ではないだろう。宮野は『ペット』での鷹・タイベリアス役、『グリンチ』でのナレーション、『怪盗グルー』シリーズへの参加、そして『ペット2』での悪徳サーカス団の団長・セルゲイ役などと、イルミネーション作品で着実にキャリアを重ねてきた。

 そして今、その積み重ねが「マリオ」という歴史的キャラクターとの出会いをもたらした。宮野にとって初のイルミネーション作品主演が、他でもないマリオだったことは、まさに積み上げてきた実力と巡り合わせが完璧に重なった瞬間と言えるだろう。

 せっかく放送を観るのであれば、最後に一つ、吹き替え声優にまつわる本作の粋な仕掛けについても触れておきたい。畠中祐のルイージ、志田有彩のピーチ姫、三宅健太のクッパ、関智一のキノピオ、武田幸史のドンキーコングと、豪華声優陣がキャラクターたちに新たな命を吹き込んでいる中、エンドロールに名前だけが記載され、役柄の明記がない声優がいる。それが、木村昴だ。

 実は木村は、映画冒頭のマリオとルイージのCMシーンで流れるラップを担当している。このラップもすさまじく贅沢なので、宮野の活躍と併せてぜひチェックしてみてほしい。

 2024年も、数々のアニメや実写作品で存在感を放ち続けた宮野真守。その豊かなキャリアの中でも、この世界的大作でのマリオ役は特別な輝きを放っているといっても過言ではない。

 イルミネーション作品で積み重ねてきた宮野の吹き替えの集大成とも言えるその声が、年末のテレビの前で私たちを出迎える。それは間違いなく、特別な年越しの贈り物となるはずだ。

■放送情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
フジテレビ系にて、12月31日(火)19:00~20:52放送
声の出演:クリス・プラット(宮野真守)、チャーリー・デイ(畠中祐)、アニャ・テイラー=ジョイ(志田有彩)、マイケル・キー(関智一)、ジャック・ブラック(三宅健太)、セス・ローゲン(武田幸史)
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
脚本:マシュー・フォーゲル
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション最高経営責任者)、宮本茂(任天堂株式会社 代表取締役フェロー)
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