小林千晃、花江夏樹、梅田修一朗ら、2024年のアニメシーンを盛り上げてくれた男性声優たち
花江夏樹
『ダンダダン』のオカルン役で存在感を見せている花江夏樹も忘れてはならない。今年は出演作こそ少ないものの、『ばいばい、アース』のキティ=ザ・オール役や『恋は双子で割り切れない』の坂口瑞真役など、経験に裏打ちされた花江の安定感ある演技が活きていた。
その中でも『ダンダダン』は別格。神出鬼没の妖怪・ターボババアに襲われたことがきっかけで、怪奇現象に立ち向かう能力を手に入れたオカルンは、普段はオタク気質で控えめな性格だが、変身すると勇敢に立ち向かう。とにかく情緒が不安定で、声のアップダウンが激しいキャラクターを動と静のメリハリある演技で表現した。
花江夏樹は“日常に寄り添う声”を持つ 『ダンダダン』から「はま寿司」ナレーションまで
TVアニメ『ダンダダン』がその完成度の高さで話題沸騰中だが、クレジットに“花江夏樹”の名を見て納得した人も多いはず。激しいアクシ…
梶裕貴
個人的には挙げたいのが梶裕貴の躍進にも注目しておきたい。声優キャリア20周年を迎えた今年は、『異修羅』の柳の剣のソウジロウ役、『となりの妖怪さん』の大石ぶちお役、『忘却バッテリー』の山田太郎役など、幅広い役を演じてきた。
デビュー時から新境地を切り開き続けてきた印象があるが、やはり梶の魅力は圧倒的な主人公感だろう。『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役など、梶が演じるキャラクターは主人公としての強さをうちに秘めている。また主人公ではないが、2025年は『Unnamed Memory』第2期でも物語のカギを握るヴァルト役として続投が決まっており、梶がどのように作品をかき回してくれるのか今から楽しみだ。
『進撃の巨人』を大成功に導いた梶裕貴の功績 エレンに“魂を捧げた”10年を振り返る
TVアニメ『進撃の巨人』は、人類の心を揺さぶる比類なきアニメーション作品として、アニメーション史に大きな足跡を残した。11月8日…
梅田修一朗
若手声優枠としては、2024年にブレイクした梅田修一朗も挙げたい。主要キャラクターを演じた作品だけでも、『異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。』のラルフ役、『愚かな天使は悪魔と踊る』の谷川裕也役、『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』の徳光森太郎役、『〈小市民〉シリーズ』の小鳩常悟朗役、『負けヒロインが多すぎる!』の温水和彦役など、枚挙にいとまがない。
数ある作品の中でもとりわけ存在感を発揮していたのが『〈小市民〉シリーズ』だ。梅田が演じた常悟朗は、優れた推理力を持ちながらも普通の生活に憧れている。淡々と推理を重ねていく梅田の緊張感のある演技に釘付けになった。筆者は原作のファンでアニメ化を心待ちにしていたのだが、予想以上のクオリティで驚かされた。2025年も梅田の勢いは止まりそうにない。
2024年を振り返っている間に、もうまもなく2025年のアニメがスタートする。今回挙げた5人の声優はもちろん、2025年はどの声優がブレイクを果たすのか、注目したい。