あおい輝彦が俳優としてこだわり続けたものとは? 転機となった『続・人間革命』への思い

あおい輝彦が俳優としてこだわり続けたもの

人間の情や素晴らしさに目覚め、気付かされた『続・人間革命』

ーー先ほど、この特集内で放送されるインタビュー収録を拝見しました。そこであおいさんは「この作品は僕にとっての『人間革命』だった」とおっしゃっていましたが、具体的にどんなところでその気持ちにたどり着いたのでしょうか?

あおい:半世紀も前の映画だけど今でも涙が(出そうになる)。僕に「こういう演技をしてもらいたい」という思いが(スタッフのなかで)あったとき、合理的に撮るんじゃなくて、台本通りのシーン順で撮ってくれた。時間もかかるし、(ロケ地を)移動もしなければならないのに、みんなが動いてくれるんですよ。そして、舛田利雄監督が「やりたいようにやれ」「カメラを回していることも気にするな」と任せてくれた。そうしたみなさんの気持ちがいまだに忘れられないんです。『続・人間革命』という映画によって、人間の情や素晴らしさに目覚め、気付かされた。そういった意味での「人間革命だった」ということだと思います。

ーー今回、初めてご覧になる方もいらっしゃると思います。1976年の作品ですが、現代の人でも得られるものが多い作品ではないかと感じています。

あおい:そう思います。例えば今から100年経っても意味や思いが伝わる作品だと思うんですよ。人類は今後、抱えている課題を解決していくかもしれないけど、それと同時に間違った方向に進んで終末を迎えてしまうかもしれない。そんなとき「そうじゃない。こっちの方向に進むべき」と指針を示してくれる映画だと思います。

■放送情報
特集『最高画質で甦る 必ず観たい日本映画の名作』
日本映画専門チャンネルにて放送
※全作品、日本映画+時代劇 4Kでは4K放送、日本映画専門チャンネルでは2Kダウンコンバートにて放送

『人間革命』<4Kデジタルリマスター版>
11月15日(金)18:00~ほか
原作:池田大作
脚本:橋本忍
監督:舛田利雄
特技監督:中野昭慶
出演:丹波哲郎、芦田伸介、仲代達矢、新珠三千代、渡哲也、佐藤允、雪村いづみ、江角英明
1973年

『続・人間革命』<4Kデジタルリマスター版>
11月16日(土)18:00~ほか
原作:池田大作
脚本:橋本忍
監督:舛田利雄
特技監督:中野昭慶
出演:丹波哲郎、新珠三千代、山田慶造、あおい輝彦、仲代達矢、渡哲也、岸田森、志村喬1976年

『太陽の季節』<4Kデジタル修復版>
11月16日(土)21:25~ほか
原作:石原慎太郎
脚本・監督:古川卓巳
出演:南田洋子、長門裕之、三島耕、東谷暎子、清水将夫、浅野浅夫、岡田真澄、坪内美詠子、石原裕次郎
1956年

『ビルマの竪琴 総集篇』<4Kデジタル修復版>TV初放送
12月放送予定
原作:竹山道雄
監督:市川崑
脚本:和田夏十
出演:三國連太郎、安井昌二、浜村純、内藤武敏、西村晃、春日俊二、中原啓七、伊藤寿章、土方弘
1956年

『神々の深き欲望』<4Kデジタル修復版>TV初放送
12月放送予定
監督:今村昌平
脚本:今村昌平、長谷部慶次
出演:三國連太郎、河原崎長一郎、沖山秀子、嵐寛寿郎
1968年

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