『モンスター』恋愛感情はどうやって証明する? “杉浦”ジェシーにスポットライトが
不倫、それとも精子提供? 『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)第3話では、男女間のデリケートなイシューに踏み込んだ。
亮子(趣里)が今回受けたのは、精子提供で妊娠した夫婦の相談。五条亜佐美(佐津川愛美)の夫・和彦(渋谷謙人)は財閥家の跡取りで、二人は東大卒の男性から精子提供を受けた。しかし、提供者の男性は学歴を詐称しており、別の女性から訴えられていた。無精子症であることを知られたくない和彦は、その訴えを示談にしてほしいと言って提供した男性の弁護を亮子に依頼する。
事件を担当したのは杉浦(ジェシー)だ。ついに杉浦にスポットライトが、と喜んだのもつかの間、指名された亮子がスルーした案件。気を取り直して示談交渉に臨む杉浦だったが、肝心の提供者である“健太”こと斉藤文哉(佐藤寛太)は示談を拒否。原告の長岡茉由(吉本実憂)は経歴詐称に気づいていたと言うのだ。亮子は斉藤のスペックの高さを立証しようとし、交渉は平行線をたどる。
当初の目論見は外れたが、交渉経過を報告すると、亜佐美は精子が斉藤のものではないと告白。知り合いの医師・竹下(朝井大智)に協力してもらったと五条に打ち明ける。五条はいったんは激怒するが、相手が東大卒と知って産むことを承諾。この時点で、提供した竹下に十分な学歴があることから、五条が依頼した目的は果たされている。しかし、表向きの提供者は斉藤であり、斉藤の経歴詐称が発覚すれば五条夫妻が精子提供を受けたこともバレる。亜佐美たちには斉藤の示談を進める理由があった。
血筋と学歴。高スペックな遺伝子を象徴するものとして学歴が取り上げられ、精子提供が肯定される。その裏には、提供者と被提供者間の複雑な関係があった。人間だから、自分の家柄に見合った立派な遺伝子を残したいと思うのは、種族保存の本能から正当化できそうだ。一方で、結ばれなかった最愛の人の精子提供を望むことも、また自然な感情と言えなくもない。
亜佐美が子を宿した精子は死んだ元恋人のものだったという事実。斉藤が茉由と性交渉を持ったのは確実に妊娠するためだったが、斉藤のほうは恋愛感情を抱いていた。問題は茉由のほうだ。恋愛感情の有無は立証が難しい。茉由は斉藤に無理強いされたと主張し、そのことが示談に応じない理由になっていた。亮子は旅行の日程を割り出し、あっと驚く方法で、精子提供のための性交渉が恋愛感情に基づくものだったことを証明した。