この1話だけでも観てほしい 『真夜中ぱんチ』第4話はとにかく泣ける神回に

『真夜中ぱんチ』第4話はとにかく泣ける神回

 毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。7月29日から8月4日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

 夏と言えば水着回! というわけでもなく冬から春までどのクールでも見られるあたり、日本のTVアニメの季節感のなさを感じられるところ。それにしても今年の夏は特に印象的な水着回って『負けヒロインが多すぎる!』第3話くらいだな……などと思っていたら、『FAIRY TAIL 100年クエスト』が第3話から第5話までずっと男女ともに水着姿でフェティッシュに戦っていて、「さすが『FAIRY TAIL』は夕方に放送枠が移っても『FAIRY TAIL』だぜ……って前は朝アニメだった」と感心させられた次第です。

 そんな気が抜けるような与太話とは関係なく、力が入り過ぎてる神回を紹介します。

『真夜中ぱんチ』ってこんな泣ける話もやるんだ 

【真夜中ぱんチ】 第4話予告 「次の企画の主役はWho?」

 ヴァンパイアのりぶがタッグを組んだ動画投稿少女の真咲が配信でのし上がっていこうとする本作。ここまでの話で「少しこってりとしたテイストのコメディなんだな」と思い込んでいたところ、彼女らが住む晩杯荘で共に暮らすヴァンパイアのひとり・譜風(ふう)がメインとなった第4話「次の企画の主役はWho?」で急に泣かせる話をお出しされて驚き。

 内容としてはチャンネル「真夜中ぱんチ」のコンテンツとして、過去に音楽をやっていたらしき譜風の「歌ってみた」が企画されようとしたところ、はっきりと拒否する彼女の過去が描かれるというもの。譜風にはかつて一緒にプロになろうと誘ってくれた人間の相方がいたものの、太陽の下で行われる野外ステージでのオーディションにヴァンパイアは参加できず、その場で逃げ去ってしまう……それ以来、疎遠になっていた相方の思いを数十年の時を超えて知るという話でした。

 人間とヴァンパイアの寿命差、過去に撮影したビデオと現在撮影した動画を通じての思いの交差という本作らしさを活かしたシナリオに、最後の譜風(羊宮妃那さん)の歌声も相まって、これは今年屈指の感涙エピソードでは。正直なところ『負けヒロインが多すぎる!』第4話も第1話から続くプロローグの締めとして完璧レベルによかったのですが、今回は「この話だけでも観て」と言いたくなるくらい1話のまとまりが抜群だったし、『真夜中ぱんチ』の振れ幅の大きさも感じられたこちらを筆頭神回と選びたいです。

 ちなみに動画をテーマにした作品だけあって、本作は各話に対してショートアニメや声優ラジオ、スタッフトークなどが作られ動画コンテンツの充実(※)がものすごいのですが、今回のショートアニメは譜風が最後に歌うフォークソング「君へ」のMV。こんな風に話数単位での満足度を高める手法も最近増えているものの、本作は力入れ過ぎでしょう。素晴らしい。

【MV】「君へ」譜風(CV.羊宮妃那)【真夜中ぱんチ】

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