清水尋也の変幻自在さに驚き 『東リベ』から『マル秘の密子さん』まで見事な変貌ぶり

『マル秘の密子さん』清水尋也の変幻自在さ

 それゆえ、1月期に放送された『Eye Love You』(TBS系)にて韓国人留学生ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と共に研究に勤しむ恋愛下手な小野田学を演じた際には驚いたのだが、その驚きを確信に変えたのが今期放送されている『マル秘の密子さん』での智である。シングルマザーの夏(松雪泰子)の息子である智という役は、番組の序盤ではとにかく自信がなく、おどおどとした印象。先述した怖さと気味悪さを共存させていた清水とはうってかわった印象だ。

 特に第2話までの智は、不憫な扱いを受けても反論する勇気のない、目も当てられないほどに悲惨なキャラクターだった。九条開発の遠戚にあたる上司の森山(小久保寿人)から契約社員に準えて“けいやくん”と呼ばれ、母親が夏であると知った途端に加速していくパワハラを受けたのにもかかわらず、言いなりになる姿は「智、言い返せばいいのに!」と視聴者の心を揺さぶった。

 しかし、智は同話で“死の疑似体験”をしたことで、意識が変化。森山に初めて言い返したのだった。そして、目にかかるほど長かった前髪を上げ、イメージチェンジ。以降、前向きに母・夏を支えるキャラクターへと変わっていったのだ。

 このように、同作で清水はオドオドとした姿から、母を支える頼もしい存在という変化を見せた。そのどちらの姿も違和感はない。どちらの姿も智であるという説得力を持たせられるのは、変幻自在な演技を物ともしない清水の魅力であると改めて感じさせた。

 『マル秘の密子さん』以降も映画『オアシス』などが待機している清水。今後、彼はどんな姿を見せてくれるのだろうか。

参考

※ https://natalie.mu/eiga/news/465961

■放送情報
『マル秘の密子さん』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:福原遥、松雪泰子、上杉柊平、清水尋也、志田彩良、吉柳咲良
脚本:丑尾健太郞、藤岡明子、上野詩織、ばばたくみ
演出:中茎強、小室直子、伊藤彰記、苗代祐史
チーフプロデューサー:田中宏史
プロデューサー:鈴木亜希乃、柳内久仁子
音楽:Ken Arai
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/maruhi-mitsuko
公式X(旧Twitter):https://x.com/maruhi_mitsuko
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@maruhi_mitsuko
公式Instagram:https://www.instagram.com/motomiyamitsuko

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