『街並み照らすヤツら』大団円の定番を覆す大胆な仕掛け EDでユーモアな事実が判明

『街並み照らすヤツら』大胆な仕掛け

 一方でシュンの方はとても曖昧な立ち位置であり、登場こそマサキと一緒ではあるが、彼はまだ“商店街のみんな”になろうとしているようにも見える。向井(竹財輝之助)に時計を返して和解をし、かつ彼の少々悪辣な誘いを断ることで彩との約束を守ろうとする。すると正義と光一の会話の途中で突然メンチカツを求めてフェードアウトする。ところが、その後のシーンで彼はメンチカツを片手にその場所に戻って完全に場になじむ。これはつまり、この商店街で生まれ育った子どもたちと同じメンチカツを食べることで、彼が理想として話していた正義と彩の子ども――すなわち“虹色ロード商店街の子ども”になることを叶えたということだろうか。

 こうした見方ができるのも、このドラマが一貫してストーリーに捧げられたもの(つまりはどんでん返しやら伏線回収やらに固執した陳腐なもの)ではなく、徹底して人物とその人物たちが動く空間に捧げられたものであったからに他ならない。すぱっと潔く切り上げられるエンディングで明かされるナレーション=地蔵、すなわち商店街の住人たちをずっと見守り続けてきた存在が見守っていたというユーモア。街と、人と、そこに刻まれた時間への愛で満ちている。

■配信情報
土ドラ10『街並み照らすヤツら』
TVer、Huluにて配信中
出演 : 森本慎太郎(SixTONES)、月島琉衣、浜野謙太、吉川愛、曽田陵介、萩原護、宇野祥平、皆川猿時、森川葵、船越英一郎
脚本:高田亮、清水匡
音楽:大野宏明
監督:前田弘二、鯨岡弘識、中里洋一
プロデューサー:藤森真実、榊原真由子、宇田川寧、妙円園洋輝
チーフプロデューサー:田中宏史
制作協力:ダブ
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/machinami-ntv/
公式X(旧Twitter):@machinami_ntv
公式Instagram:@machinami_ntv

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