木村拓哉が『Believe』に架けた美しい橋 果たすことができなかった約束と希望への一歩

木村拓哉が『Believe』に架けた美しい橋

 現実に直面し、天を仰ぎ設計図で顔を覆う狩山。だが、すぐに表情からは寂しさは消え、狩山は設計図を紙飛行機に折り始める。玲子の遺した手紙にあったのは、「思い残すことはないけど、碓氷峠に行く約束を果たせなかったのは残念かな。だから、代わりに行ってきて。きっとあの橋から、あなたはまた出発できる。行ってらっしゃい」という言葉。おおきく振りかぶって紙飛行機を飛ばす姿と先述した先行ビジュアルが綺麗に繋がれる。前を向き歩き出す狩山に迷いはない。2026年、橋が崩落した災害現場に橋屋としてもう一度歩み出した狩山の姿があった。

 『Believe』がクランクアップしたのは、最終回オンエア4日前の6月16日。放送当日に、木村は自身のInstagramに最終回の象徴的なシーンとなった碓氷峠にあるめがね橋の写真をアップした。木村が主演を務めた『BG~身辺警護人~』シリーズ(2018年、2020年)を手掛けたチームが再集結した本作は、龍神大橋崩落という壮大なスケールと、狩山が刑務所というある種の絶望からもう一度光の射す場所へと手を伸ばす物語が描かれた。第1話のラストで狩山が刑務所から玲子に綴った手紙にあった「もう嘘はつかない」という文面が示すように、物語の真ん中にあったのは自分を信じる狩山の姿。真っ直ぐに前を見据え歩き出したのは、狩山だけでなく、木村拓哉自身もきっとそうであろう。

■配信情報
『Believe-君にかける橋-』
TVer、TELASAにて配信中
出演:木村拓哉、竹内涼真、山本舞香、一ノ瀬颯、北大路欣也、上川隆也、斎藤工、小日向文世、天海祐希
脚本:井上由美子
音楽:林ゆうき
エグゼクティブプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、髙木萌実(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)
監督:常廣丈太(テレビ朝日)
樹下 直美(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
©︎テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/believe/

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