岩田剛典に翻弄されっぱなしの5月 『虎に翼』『アンチヒーロー』で“正反対”の立場に
『虎に翼』の花岡は、寅子に「不器用でいろいろ考えすぎちゃう人なのね。本当の花岡さんは」と言われ、動揺するような社交的な仮面を被った繊細男子だった。友人たちの前では、少しカッコいいところを見せようと頑張ってリーダーシップを発揮したり、女子の前ではスマートにエスコートできたりするけれど、誠実で少し不器用なところが本当の魅力だったりもする。
花江(森田望智)が寅子に「いつもと違い今日の寅子さんは紅をつけている。そういうささいなことにお気づきになりそうな気の利いた殿方なんて、ほんの一握りなんだから」と力説していたが、花岡こそまさにその「一握りの男」。
待ち合わせをして、会ってすぐに「その服とても似合ってるよ」とサラリとほめてくれる。しかも、寅子お手製の新しい服をしっかりと目に留めて、気づいてくれるところが素晴らしい。
裁判官になれたお祝いを「みんな」ではなく、「2人きり」で祝ってほしいと言ったのは花岡の本音であり、本気のプロポーズも考えていたのだろうと思うと切ない。でも、寅子が志半ばで諦めなければならなかった女子部の友だちの分まで弁護士として一人前になりたいと頑張る姿を目の当たりにして、結婚して佐賀に一緒に帰ってくれとは、思慮深い花岡に言えるはずがない。
結局、一握りの男は本当の気持ちを隠したまま互いの健闘を祈りつつ、残念だけど違う道を選んでいった。とはいえ、憧れの人が婚約者と幸せそうに並ぶ姿の破壊力は、とどめの一撃と言っても過言ではない。寅子の立場になってよね(土居志央梨)と轟(戸塚純貴)が花岡を呼び出し、責めるようなことになったけれど、堂々として言い訳しない花岡に、むしろ寅子を尊重している意思を感じた。花岡は寅子の大学時代の大切な思い出になり、優三(仲野大賀)との結婚によってまた物語が深度を増す。
『アンチヒーロー』で再登場した岩田剛典演じる緋山は、明墨と何を始めようとしていうのだろうか。『虎に翼』での岩田の登場は一段落となりそうだが、『アンチヒーロー』では様相外の活躍をまだまだ観ることができそうだ。
■放送情報
日曜劇場『アンチヒーロー』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:長谷川博己、北村匠海、堀田真由、大島優子、木村佳乃、野村萬斎
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵
演出:田中健太、宮崎陽平、嶋田広野
脚本:山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平
音楽:梶浦由記、寺田志保
主題歌:milet「hanataba」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
法律監修:國崇
警察監修:大澤良州
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