『キャプ翼』『スラダン』に並ぶ影響力? 3つの視点と数字で見る『ハイキュー!!』の凄さ

3つの視点と数字で見る『ハイキュー!!』

満を持して公開された『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』

『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』

 『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は2024年2月16日に公開されたが、このタイミングでの公開も大きく功を奏したかもしれない。興行収入が100億円を超えたのは、日本アニメでは16作目。これらのうち深夜アニメの延長線で公開されたのは、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』と『劇場版 呪術廻戦 0』の2作のみ(展開が特殊過ぎる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は除く)。それらは直近のTVシリーズ終了と劇場版の上映開始の間が、『鬼滅の刃』は384日、『呪術廻戦』は272日と1年前後に過ぎない。

 しかし『ハイキュー!!』はTVシリーズ第4期が終了したのが2020年12月19日のため、そこから1154日経っての劇場公開と上記2作の3倍程度の間が空いた。それは『ハイキュー!! FINAL』と題し劇場アニメ2部作として続けて展開するため、制作に必要な時間だったのかもしれないが、結果的に外出自粛も求められたコロナ禍を回避することに成功している。

 コロナ禍中でも『シン・エヴァンゲリオン劇場版』をはじめ興行収入100億円突破作品は相次いでいるため、一概に「TVシリーズ直後だったらあまり伸びなかった」とまでは言えない。しかしコロナ禍明けによる外出機会の増加がヒットの後押しとなったのは、2作連続でシリーズ最大ヒットを更新しようとしている劇場版『名探偵コナン』の存在を考えても確かだろう。

 ここまで触れてきたように、『ハイキュー!!』はこの10年強で生まれたスポーツマンガ&アニメのなかでは名実ともに化け物級の作品だ。のちの世で『キャプテン翼』や『SLAM DUNK』といった作品と並んで語られても不思議ではない。そのアニメシリーズの(ひとまずの)最後となるであろう『ハイキュー!! FINAL』の2作目も、公開時期こそ未定ながら控えているため、もしまだこのシリーズに触れていない人は、今からでも現在進行系で打ち立てられようとしている伝説を目撃してほしい。

■公開情報
『劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦』
全国公開中
監督・脚本:満仲勧
原作:『ハイキュー‼』古舘春一(集英社ジャンプ コミックス刊)
キャスト:村瀬歩、石川界人、日野聡、入野自由、林勇、細谷佳正、岡本信彦、内山昂輝、斉藤壮馬、増田俊樹、名塚佳織、諸星すみれ、神谷浩史、江川央生、梶裕貴、中村悠一、立花慎之介、石井マークほか
製作委員会:東宝、集英社、MBS、電通、Production I.G、SME、ムービック
制作スタジオ:Production I.G
配給:東宝
©「ハイキュー‼」製作委員会 ©古舘春一/集英社
公式サイト:https://haikyu.jp/
公式X(旧Twitter):@animehaikyu_com

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