ヴィラン連合、黒ずくめの組織、暁、破面など アニメに登場する“悪の組織”といえば?
暁/『NARUTO-ナルト-』
原作漫画は、全世界累計2億5000万部を突破している『NARUTO-ナルト-』。その中に登場する悪の組織として有名なのが「暁」だ。黒地に赤い雲が描かれた外套と笠を装束しており、額当てはそれぞれ出身国のマークに、反逆を意味する傷をつけたものを着用している。
いわばテロリストのようにも映る暁だが、かつてはリーダーの弥彦を中心に非暴力的手段によって争いをなくすための穏和な組織であった。しかし、当時の雨隠れの長である半蔵が組織を裏切り弥彦が死亡し、新たなリーダーの長門(ペイン)が、トビが提案する「月の眼計画」に賛同したことにより武力によって解決する過激派集団になってしまった。暁の表向きの目的は各国の尾獣や禁術を集めて禁術兵器を作り、それらを各国に分け与えることで、世界の軍事バランスを掌握することとされていたが、暁に所属するメンバーの参画理由はそれぞれ異なるのも特徴だ。
だが、その表向きの目的もやがて形骸化し、トビやうちはマダラといった黒幕が姿を現し、世の中の全ての人間が幸せに暮らすために「月の眼計画」の根幹である永遠に自分の見たい夢を見続けることができる幻術「無限月読」の完成を目指すことになる。暁は武力によって解決するテロリストに成り下がってしまったが、結成から一貫しているのは“世界を平和な世の中にすること”。
そこに至るまでの手段は問わないのが暁のスタイルである。とはいえ、うちはイタチのように里の平和のため、そして弟であるうちはサスケを守るために、自らの手で一族を滅亡させる道を選んだ者も存在しており、全てが悪というわけではない。最初はうずまきナルトに敵対する悪の組織として描かれていたが、次第にその内情が明らかになっていくにつれて、暁への見方が変わっていた。そのため、暁には今もなお根強いファンが多く存在している。
破面/『BLEACH』
『BLEACH』に登場する悪の組織として高い人気を誇っているのが悪霊・虚の上位種に位置づけられている「破面(アランカル)」だ。彼らは共通した目的を持ち合わせてはいないが、彼らを統括する存在である藍染惣右介が目指していたのは“崩玉”を手に入れること、そして尸魂界の王である霊王を倒すことだった。護廷十三隊五番隊隊長として信頼を集めていた藍染だが、崩玉を手に入れるために自らの死を偽装し、ルキアを処刑しようと企んでいた。彼がなぜ悪の道に染めたのか、その理由は明らかにされてはいないが、理想的な世界を強大な力で持って得ようとしていたことは確実だ。
藍染が手なづけている破面の中で、特に人気が高いのが「十刃(エスパーダ)」と呼ばれる十体の成体破面である。0から9までの全てのキャラクターが個性的に描かれており、イラストも主人公並みに洗練されているのが十刃の魅力だ。彼らは愛染には基本的には忠実に従っているが、当然グリムジョーのように単独で好き勝手行動する個体も存在し、全てが藍染一筋というわけではない。
だが、藍染の目的を遂行するためにただ存在し、黒崎一護たちと対峙してきた。特に一護とウルキオラの対決は破面篇における屈指の名シーンとなっており、人間の心に初めて触れたウルキオラのように、人間と同様の感性をそれぞれが持ち合わせていることも共感できるポイントである。
ほかにも、『呪術廻戦』の呪詛師や『鬼滅の刃』の「十二鬼月」、『HUNTER×HUNTER』の「幻影旅団」など、名作には必ずと言っていいほど主人公が敵対する悪の組織が登場している。本来は主人公の視点で描かれる作品も、敵の視点で見てみると、主人公以上に強い信念を持って行動しており、知れば知るほど魅力的なキャラクターばかりだ。より深く作品を楽しむためにも、悪の組織に注目してみるものよいだろう。
■放送情報
『僕のヒーローアカデミア』第7期
読売テレビ・日本テレビ系にて、5月4日(土)スタート 毎週土曜17:30〜放送
原作:堀越耕平(『週刊少年ジャンプ』集英社)
アニメーション制作:ボンズ
声の出演:山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、内山昂輝、下野紘、福圓美里、朴璐美、三宅健太、大塚明夫
©堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
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