『涙の女王』は全てがレジェンド級の面白さ キム・スヒョンの完璧な王子様ぶりにハマる

『涙の女王』は全てがレジェンド級の面白さ

 3月9日よりNetflixで配信中の『涙の女王』がレジェンド級に面白い。本作は、キム・スヒョン&キム・ジウォンがW主演で大恋愛の末に結ばれた夫婦役を演じ、その演技力と魅力で視聴者を虜にしている。物語は、クイーンズグループ財閥3世で“デパートの女王”のホン・ヘイン(キム・ジウォン)と、田舎の“スーパーマーケットの王子”ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)夫婦が迎えた3年目の危機と愛の復活を描いたロマンティックコメディ作品だ。(以下、ネタバレあり)

 第9話、第10話では、クイーンズグループがウォール街アナリストでM&A専門家のユン・ウンソン(パク・ソンフン)と、その実母でクイーンズグループ会長ホン・マンデ(キム・ガプス)の愛人モ・スリ(イ・ミスク)の策略により乗っ取られ、ヘイン一家がヒョヌの実家に身を寄せるところから始まる。

 ヘイン一家の顧問であるグレイス・コ(キム・ジュリョン)は、ヘイン一家をマスコミの餌食にしようと企てるが、間一髪のところにヒョヌが現れ、ヘインたちをヒョヌの実家の龍頭里(ヨンドゥンリ)村に連れて行く。第1話から、常にヘインの危機に颯爽と現れるヒョヌが、ここでもベンツのバンで現れヘインたちを救う姿がすこぶるカッコいい。

 ヘインたちは、銀行口座も凍結され、親族たちからも見放されて仕方なくヒョヌの実家の世話になることに。大豪邸で暮らしてきた財閥たちは、それぞれが田舎の洗礼にあうのだが、その場面がコミカルで面白い。ヘインの母ソンファ(ナ・ヨンヒ)は、50万円のハイヒールで牛糞を踏み、弟のスチョル(クァク・ドンヨン)はやかんの水が飲めず、「アルプス産のミネラルウォーターがほしい」と駄々をこねる。

 父ボムジュン(チョン・ジニョン)に至っては、息子の非礼を詫びながら、「アルプス産でなくても、ドイツや豪州の水でも構いません、フィジー産でも」と真面目に筋金入りの財閥らしさを見せつける。なんとも滑稽な人物だが、その姿に唖然とするヒョヌの家族たち。続けて、ヘインが「やかんの水を飲みな!」とスチョルの頭を叩くのを見て、驚くヒョヌの父ドゥグァン(チョン・ベス)、母ボンエ(ファン・ヨンヒ)、兄ヒョンテ(キム・ドヒョン)、姉ミソン(チャン・ユンジュ)たち。その姿を見たヒョヌは、「僕は殴られてない」と抜群の間と表情で言い放つ。これもキム・スヒョンのアドリブで繰り出されたユーモラスなシーンだ。

 ソウルのクイーンズ本社では、ウンソンが会長の座につき、会社を仕切っていた。ウンソンの母スリは、クイーンズデパートの社長になろうとするが、ウンソンは社長はヘインだと譲らない。ウンソンとスリ親子が仲たがいを始め、ウンソンはスリの元から昏睡状態の会長を奪い去る。ウンソンは、ヘインが脳腫瘍で余命3カ月ということを知り、ヘインと結婚するため、ヒョヌのいない間に龍頭里(ヨンドゥンリ)村を訪れ、ヘインの前に現れる。

 一方、ヒョヌは、ヘインのために会社に残り、ウンソンたちから会社を取り戻そうと孤軍奮闘する。しかし、ウンソンはヒョヌが会社に残っているのが目障りでならず、ヒョヌに汚職の罪をなすりつけ、ヒョヌを陥れようとする。ヘインは、ウンソンがヒョヌを陥れようとしているのを知り、ウンソンの申し出を承諾し、ソウルに行くことにする。ヘインの真意を知らぬヒョヌは、慌ててヘインのあとを追いかける。ウンソンが開いた記者会見で、ヘインの復帰が告げられ、ヘインが記者たちに発言するのをヒョヌは固唾を飲んで見守る。

 離婚したのに両家が同居することになったヒョヌとヘイン夫婦。龍頭里村でのシーンは、温室暮らしの財閥たちが田舎での暮らしに戸惑いながらも、ヒョヌの両親の優しさに心を開き始めるというユーモラスかつ温かさのあるものとなった。

 クァク・ドンヨン扮するスチョルが、妻ダヘ(イ・ジュビン)への想いで泣かせにくるのもたまらないのだが、全く違う環境に置かれていた二家族が、事件をきっかけに同じ土俵に立ち、力関係が変わっていくさまも面白い。

 ヘインの叔母ボムジャも、龍頭里村でヨンソン(キム・ヨンミン)との新たな恋が始まりそうだ。ここでも視聴者を喜ばせる小ネタが粋に挟まれる。ヨンソンのことをボムジャが「レスリー・チャン似」と言い、ヒョンテが「幽霊を見たとか?」と返すやり取りがあるのだが、これはヨンソンを演じたキム・ヨンミンが、2019年の映画『チャンシルさんには福が多いね』で自称レスリー・チャンの幽霊を演じていることへの小ネタだ。本作では、随所にドラマや映画での小ネタやカメオ出演があり、“韓国ドラマあるある”の演出にニヤリとさせられる。

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