キム・ジウォン、愛らしさ満点の出演作5選 『涙の女王』でも強さと繊細さの塩梅が魅力に
芯の強さと冷たい雰囲気を醸し出しながらも、視聴者が親近感を持たずにはいられないキャラクターを演じているキム・ジウォン。最近では、『私の解放日誌』で大きな注目を集め、『涙の女王』で一層話題を呼んでいる。劇中の印象とは打って変わって、カメラが回っていないところで見せる穏やかでお茶目な一面がかわいく、その振れ幅に沼落ちした方も少なくないはず。本記事では、そんな今大注目の実力派俳優キム・ジウォンの出演作を紹介したい。
『涙の女王』
『涙の女王』は、デパートの女王とスーパーマーケットの王子という世紀の結婚と言われた一組の夫婦が、結婚約3年目にして離婚の危機に直面する姿を描く物語。愛し合って結婚したはずのホン・ヘインとペク・ヒョヌが、少しずつボタンを掛け違い仲違いしているところから物語は動き出していく。
起承転結の起と承をほぼ第1話で爆速展開させ、転から始まる構造が面白く、転転転転転転転と状況が変わる展開が視聴者の心を掴んで離さない。さらに、『愛の不時着』『星から来たあなた』でも取り入れられていたエピローグを使った演出が面白く、ヘインとヒョヌがどうやって恋に落ちたのか、幸せな記憶は毎週のエピローグで観ることもできる。
また、細やかな伏線が作品中に散りばめられているので、「何か見逃してるはず!」と思わずにはいられなくなり、自然と考察して作品の余白を埋めたくなるのも視聴者を夢中にさせるポイントだと思う。本作はラブコメかと思いきや、映画『パラサイト』を観ているかのような要素もあり、恋愛、人間ドラマ、サスペンス全てを詰め込んだ新ジャンルの作品だ。
クイーンズデパートの社長ホン・ヘインを演じるのが、キム・ジウォン。最初こそ冷徹で近寄りがたい印象を持つが、冷たさは自分を保つ鎧でありその中に隠された彼女の心は誰よりも温かく愛情深い。素直になれず不器用な一面を持つが、一途に相手を思う愛らしさと、ごくたまに見せる愛嬌シーンは、普段とのギャップが大きすぎて悶絶してしまうと思う。強さと弱さ、ツンとデレといった演技の配分が絶妙すぎて、これはキム・ジウォンだからこそ実現できたと思うし、彼女が演じるヘインというキャラクターを愛さずにはいられない。
『私の解放日誌』
『私の解放日誌』は、心にしがらみを抱えた男女が、今この瞬間を“歓待”しながら生きる意味を探そうとする物語。舞台は、ソウルから離れた京畿道のサンポ市という架空の街。“不幸ではないけれど、幸せでもない”。そんな日々に疲れながら生きる登場人物たちが、自分自身と向き合い対話しながら心を解放し前へ進んでいく姿を描く人生ドラマだ。脚本は、『また!?オ・ヘヨン 〜僕が愛した未来(ジカン)〜』『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜』のパクヘヨンが手掛けた。
キム・ジウォンは、生きる意味を見出せず、この世の終わりを待ち続ける会社員ヨム・ミジョンを演じる。誰かに愛されたくて必要とされたいと願う一方で、付き合っていた彼に傷つけられ、上司からは厳しい言葉を言われ、毎朝の通勤で自問自答する日々を送る。
ク氏に対して言い放つ“あがめて”という一言によって変わり始めていくミジョンが、ク氏との出会いの前後で見せる心情変化が見どころの一つ。ゆっくりと着実に愛に満ち溢れていくミンジョンの表情は、あまりにもナチュラルで等身大で気付けば見入ってしまうと思う。劇的に何かが変わらないことが本作の良さだからこそ、日々の小さな積み重ねで少しずつ変化していくような細やかな演技が見られる作品だと思う。
『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』
『サム、マイウェイ〜恋の一発逆転!〜』は、子どもの頃の夢を諦めた幼なじみの二人が、もう一度夢に向かって走り出す姿を描く物語。ある理由によってスポーツから離れた元テコンドー選手のコ・ドンマン(パク・ソジュン)と、幼なじみのチェ・エラ(キム・ジウォン)を中心として物語は動き始めていく。二人は近所に暮らし、泣きたい時は駆けつけて互いに支え合う日々だったが、いつしか関係性が“サム”から恋人へと発展していく。
本作は、『椿の花咲く頃』のイム・サンチュンが脚本を手掛けた一作で、「あなたはそのままで大丈夫」と背中を押してくれるようなヒーリングドラマだ。
『涙の女王』でキム・スヒョンが再現した“愛嬌シーン”が本作のエラのワンシーンだったことや、エラの元彼役クァク・ドンヨンとの再共演ということもあり、最近改めて注目を集めた本作。劇中では、アナウンサーになる夢を諦めデパートの案内係として働くチェ・エラをキム・ジウォンが演じている。いつも気が強そうに見える一方で、ドンマンの前では子どものようにわんわん泣いてしまう姿が本作の見どころの一つ。さらに想いが通じ合った後のエラの甘いシーンは、かわいさが爆発していて大好きになってしまう。本編では、エラの不器用さとひたむきさが伝わってくるからこそ、親近感が湧き応援したくなるのだと思う。