野村麻純&瀧内公美が『光る君へ』へ新風を吹き込む まひろと道長には決定的なすれ違いが
感情表現豊かなさわに対し、瀧内公美演じる源明子は心の内を一切見せない。明子といえば、第11回で初めて登場した際の見目麗しい佇まいが強く印象に残っている。第12回で詮子と対峙する明子の佇まいもまた気品高いが、2人の間にはどことなく緊張感が漂っている。明子は詮子の心遣いに礼を言い、道長との縁談についても「お願いいたします。行く当てもない身でございますので」と返答した。しかし好意的に向き合う詮子に対し、会話を続ける気がないように思える返答の仕方には、敵意のようなものも感じられた。
実際、明子は兼家ら藤原一族に強い憎しみを抱いている。高松殿に戻った明子は兄・源俊賢(本田大輔)との会話の中で、「道長の妻となれば、兼家に近づけます。兼家の髪の毛一本でも手に入れば、憎き兼家を呪詛できます」と口にした。俊賢はこれからは藤原家にうまく取り入ることが重要だと話すが、父・源高明を政変で追い落とした兼家に強い憎しみを抱く明子は決して意志を曲げない。
「私の心と体なぞ、どうなってもよいのです」
「必ずや、兼家の命を奪い、父上の無念を晴らします」
詮子の前では、何を考えているのかが分からない表情をしていた明子の目が強く光る。父の無念を晴らしたい、その一心で藤原一族に近づくことを決めた明子の意志の強さは恐ろしくも魅力的に映る。明子の心の内を道長は知る由もない。
■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK