上地雄輔が『光る君へ』の癒やし枠に ユースケ・サンタマリアの“安倍晴明分析”も

上地雄輔が『光る君へ』の癒やし枠に

 吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第11回「まどう心」放送後には、安倍晴明役のユースケ・サンタマリアと藤原道綱役の上地雄輔が登場した。

 第11回では、兼家(段田安則)の計画により花山天皇(本郷奏多)が退位した。一条天皇(高木波瑠)が即位し、藤原家は栄華を極めようとしていた。

 そんな藤原家と縁が深いのが陰陽師・安倍晴明だ。

 晴明を演じるユースケ・サンタマリアはインタビューにて自身の役を「ビジネスマン安倍晴明」とコメント。ユースケ・サンタマリアは、晴明が生きていくためにうまく立ち回りながらも「実際、夜中ずっと星を見ているんですよ。そして星を見て、時勢を占って」と陰陽師として仕事に向き合う姿を語る。

 藤原家との関係については「好きでもないんだけど内心は嫌いになれない」「ただ単にビジネスとして利用しているってだけでもなく、愛情に近い何かを持っている」と晴明ならではの心境について話した。インタビュー半ばでユースケ・サンタマリアは「結構、安倍晴明って身分が低いんですよ、みなさんが思っているより」とコメントしている。ユースケ・サンタマリアが語った低い身分からはい上がろうとする晴明の向上心、そして藤原家に向ける愛情に近い複雑な感情は、兼家ら一族と言葉を交わす晴明のどこか楽しげな表情に表れている。

 晴明と藤原家のビジネスライクなやりとりに心なしかハラハラさせられる一方で、異なるハラハラをもたらしてくれる人物といえば藤原道綱だ。兼家の妾・寧子(財前直見)の一人息子である道綱は、三兄弟(道隆・道兼・道長)に比べると頼りなく、けれど憎めない温かさがある。

 道綱を演じている上地雄輔はインタビューの中で数回「ぬくもり」という言葉を使っている。上地は、「視聴者がホッとするような、かわいらしさや人間らしさを持つ、温かな人柄を演じることを心がけている」とコメント。また道綱の人物像については「僕自身は、どうなりたいとか誰かを落としてでもとか誰かを欺いてやろうっていうことを純粋に知らないで育ってきた人間だと思っている」と語っている。

 上地は「観ている人が『次こいつ何かやるんじゃないか』とか『どういう感じで言うんだろう』とか『こいつがいると失敗しちゃうんじゃないか』とか、ドキドキ、ワクワク、クスッとできるような道綱を演じられたらなと思って今やっています」と語る。

 実際、道綱の登場シーンは心がほっこりする。第10回では、花山天皇を出家させる企てに、道綱だけが怖気づいていたり、神器を落としそうになったりとどこか抜けていて愛らしい。第11回でも、人当たりがよいことがうかがえる場面があった。

 SNSでは「今回の唯一の癒しは、お菓子もりもり食べてるのに他人にお菓子あげた記憶は失われている道綱」「道綱、下の人にお菓子あげたり優しいから慕われてるのにこの人誰だか分からないのかわいいな。弟の道長に朗らかに声かけたり、癒しだわぁ」「道綱が新たな癒し枠として急速に伸びてきたな…… 」などの声が見受けられた。今後も、道綱登場シーンは、出世をめぐる争いの中で唯一息をつくことができる場面となるだろう。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる