『ブギウギ』吉柳咲良、『【推しの子】』櫻井海音ら 名前に“さくら”を持つ若手スターたち

名前に“さくら”を持つ注目の若手スターたち

 今年も桜の開花予想が出ているが、名前に「さくら」が入っており、さらに大きく花開きそうな俳優陣がいる。

 まずは、朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)で主人公・スズ子(趣里)のライバルとして登場する新人歌手・水城アユミ役を演じる吉柳咲良だ。真っ直ぐ正面からスズ子に対峙するアユミは新人らしい心からの謙虚さと、自分の力をどこまでも試してみたいという貪欲さが同居しており、それがまた何とも言えない凄みやオーラを感じさせる。その向こう見ずな勢いゆえ、キャリアも芸歴も大先輩なスズ子を不安にさせ胸騒ぎを覚えさせる脅威のような存在になることも納得できる。

 あの吉柳の黒目がちで不思議な引力のある目は本当に印象的で、吸い込まれそうな危険さと強い意志が宿る。吉柳は、ミュージカル『ピーター・パン』の主演を2017年から2022年まで務めていただけあって、『ブギウギ』での舞台上での歌唱シーンも圧巻の説得力があった。

 ドラマや映画などの映像作品でも気になる存在感を放っており、『青のSP(スクールポリス)―学校内警察・嶋田隆平―』(カンテレ・フジテレビ系)、『ここは今から倫理です。』(NHK総合)など学園ものへの出演が続いていたが、いずれも一見したところ問題のなさそうな大人しい生徒ながらも、実は人にはなかなか言えない事情を抱えている、自分でも“辞められない”事象を隠し持つ難しい役どころを好演していた。

 さらに『星降る夜に』(テレビ朝日系)では、遺品整理のポラリスの社長・北斗千明(水野美紀)の娘・桜役を演じていたのが記憶に新しい。底抜けに明るく少し抜けているところもある千明を俯瞰で見守るような、クールで大人びたところがある桜。一方で、一星(北村匠海)への好意を自分でも抑え切れず暴走してしまう高校生らしいピュアさや必死さのアンバランスさを人間臭く見せてくれた。

 続いて、Amazonと東映の共同プロジェクトして実写映像化され、2024年冬に配信開始と劇場公開が控えている『【推しの子】』への出演が決まった櫻井海音も外せない。“海音”という名前通り、基本的には穏やかで広大だが、その時々で見せる表情や煌めきが変わる櫻井には捉えどころのなさがある。

 そんな櫻井は『VIVANT』(TBS系)で、堺雅人演じる謎に包まれた主人公・乃木憂助の青年期を好演し注目を集めた。乃木の今後を決定づける核となるような出来事に遭遇する多感な時期を櫻井が種明かし的に演じているのもなんだか納得だ。

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