『相棒』右京の魅力が詰まった最終回SP これまでと違う周りを巻き込む新しい“相棒”の形
最初の頃は、ひとり捜査なんてさせられなかった亀山も大活躍。もともと亀山は人の懐に入り込むなどして、情報を得るのが得意なのだが、いつも冷静な右京の隣にいると「ただの熱血漢」として周囲から思われがちだ。社も、フェイク動画が内閣情報調査室から発信されたと知り、話を聞きにきた亀山に「亀山さんに簡単に意図を見透かされたら内調もおしまいですよ」と笑っていた。でも実は、亀山が社を訪問したのには訳があったのだ。“謹慎中”の右京は亀山から内部の情報を得ていたのである。これには社だけではなく、角田課長(山西惇)までもが騙されていた。「僕には亀山くんがいますから」「持つべき者はよき“相棒”です」という右京の言葉に、これまでふたりが過ごしてきた長い年月と絆が表れており、グッときてしまった。
一方、『season22』で特徴的だったのが右京と亀山が周りを巻き込み、チームで事件を解決するケースが多かったこと。今回も伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、出雲(篠原ゆき子)の「トリオ・ザ・捜一」、右京にも“はじっち”と呼ばれて信頼されている土師(松嶋亮太)、そしていつも「暇か〜?」と特命係のところにやってくる角田課長までもが右京と亀山の捜査に協力。そうして武智や下川、尾上ら、多くの人の、複雑に絡み合った思惑を一つひとつ明らかにしていったのだ。『相棒』には、右京と亀山2人だけでなく、彼らも、もはや欠かせない存在なのである。“チーム相棒”はこれまでとは違った、また新しい“相棒”の形と言えるのではないだろうか。
無事、事件を解決したが、独特なフェイク動画が世間に広まり、有名人となってしまった右京。道端を少し歩いているだけで一般人にカメラを向けられるようになってしまった。それでも「みんなすぐ忘れます」と動じていない。いつもの右京といえばその通りだが、その言葉は情報過多を超えて情報の洪水のようになってしまっている現代を表した一言にも聞こえる。最後の最後に耳の痛いお言葉である。でも右京や亀山のことはすぐには忘れらない。おふたりともまた会う日まで、どうかお元気で。
■配信情報
『相棒 season22』
TELASA、TVerにて配信中
出演:水谷豊、寺脇康文、森口瑤子、鈴木砂羽、川原和久、山中崇史、篠原ゆき子、山西 惇、田中隆三、松嶋亮太、小野了、片桐竜次、杉本哲太、仲間由紀恵、石坂浩二、美村里江、新納慎也、真飛聖ほか
脚本:輿水泰弘
監督:権野元
制作:テレビ朝日/東映
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