『リビングの松永さん』中島健人の実力を裏付ける“演じ分け” 髙橋ひかる“最大の見せ場”も
今回のエピソードでは、松永の過去についても描かれたが、注目すべきは中島健人の“演じ分け”の技術なのではないか。
商品の広告ポスターを先輩にパクられてしまった松永は、寡黙ながら、まだフレッシュさが残る若手社員の雰囲気が漂う。一方で、同じく中島が演じる今の松永がより大人に見えるのは、人間関係の裏切りからの立ち直りも経て、多くの人に支えてきてもらった実感を持てるようになったからなのかもしれない。つまりは同じ“松永”という人物を演じているにもかかわらず、中島の見せる表情が絶妙に違うのである。
現実世界においても、乗り越えてきた試練によって、数年で人間の顔つきが変わることはよくあることだろう。だがそれを「演じる」大変さは想像に難くない。同じ人物の過去と現在の絶妙な違いが、はっきりと浮き彫りになった一連のシーンは、「役者・中島健人」の実力を裏付けるものになったのではないか。
そして、そんな中島の演技に呼応するようにこれまた絶妙なチューニングの演技を見せてきたのが、今回の最大の見せ場でもある、髙橋ひかるの「わたし……松永さんが好き」というセリフだろう。
美己であれば、明るく懸命に想いを伝えそうなイメージに反して、ポロリと想いが溢れてしまったかのようなこの一言。告白について前々から考えていた美己さえ、もはや自分の発言に内心ほんのり驚いているのではないか。そう思えるほどの、あまりにも自然な表情と声色が印象的だった告白シーンには、髙橋ひかるのナチュラルな演技が光っていたように思う。
視聴者としては、いよいよ松永を“ただの保護者”とはいえない展開になってきたが、だからこそ、その関係性に名前がつく日が早くきてほしいところ。小夏の脅威が不安なところではあるが、どうか美己と松永の恋が報われますように。
■放送情報
火ドラ★イレブン『リビングの松永さん』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送
出演:中島健人、髙橋ひかる、向井康二、藤原大祐、大久保桜子、黒川智花ほか
原作:岩下慶子『リビングの松永さん』(講談社『KCデザート』刊)
脚本:田辺茂範
演出:金井純一、日暮謙、松川嵩史
プロデューサー:萩原崇、島本講太、本郷達也、村山太郎
音楽:眞鍋昭大、畑添美菜
主題歌:Sexy Zone「puzzle」(Over The Top)
制作協力:MMJ
制作:カンテレ、Storm Labels
©︎カンテレ
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