『大奥』ラスト5分でまさかの展開 定信の異常性を体現した宮舘涼太の抜群の存在感
「世にも恐ろしい奪い合いの戦いはこれからです!」
大奥スリーアミーゴスの一人、御右筆の昭島(山村紅葉)の言葉が第二章開幕ゴングを鳴らした『大奥』(フジテレビ系)第6話。それぞれが天下を手中に収めるための武器を取り、立ち上がった。
松島の局(栗山千明)にとっての武器は、お知保(森川葵)が家治(亀梨和也)との間に授かった命。産まれた子は若君で、松島は家治と同じ幼名の“竹千代”と名付け、その正式な世継ぎであることを示そうとする。家治は、子を望むも一向に妊娠の兆候が見られず、苦しむ倫子(小芝風花)を解放してあげたいという一心で松島の意向に従うのだった。
だが、倫子は御台所でありながら子をなせず、大奥で立場がないことに加え、愛する人との子を持てたお知保への嫉妬で精神的にどんどん追い詰められていく。そんな彼女の心を楽にしてくれたのは、家治ではなく定信(宮舘涼太)の言葉だ。
定信から送られてきた文には、倫子を気遣う言葉が並んでいたが、特にその心に響いたのは「倫子殿は今のままで、この上なく素敵な女性です」という一文だろう。これまで嫉妬や欲望、愛憎が渦巻く大奥で、何にも染まらず澄み渡る水のような心を保とうとしてきた倫子。しかし、家治に恋をしたことで気づけば心は濁り始めていた。もしかしたら倫子は子供を持てないこと以上に、そのことが苦しかったのかもしれない。だからこそ、そんな自分を素敵だと言ってくれる定信の言葉に救われ、己を取り戻すことができた。倫子は改めて、愛する人と出会えた喜びを胸に、家治と国の宝である子供たちを見守っていこうと誓う。