小芝風花に聞く、過去作とフジ令和版『大奥』の違い 「これまでで一番切ない『大奥』に」

『大奥』主演・小芝風花インタビュー

 フジテレビ系木曜劇場枠で放送される『大奥』。世代を超えて長きに渡り愛されてきた『大奥』がフジテレビの連続ドラマとして放送されるのは、約20年ぶりとなる。主演を務めるのは小芝風花。皇室の血を引く公家の娘・五十宮倫子を演じる小芝に、時代劇で演技をする上で意識すること、2度目の共演となる亀梨和也とのエピソードなどを語ってもらった。

「これまでで一番切ない『大奥』になると思います」

――『大奥』に出演が決まったときの感想を聞かせてください。

小芝風花(以下、小芝):『大奥』という大きなタイトルが既にあるので、そういう作品に携われるということが嬉しかったです。しかも全編京都ロケですから、これからどっぷりと『大奥』の世界に浸かれるんだと思いました。もちろん妬みも足の引っ張り合いもありますが、人物一人ひとりの思いが丁寧に描かれることで、より切ない物語になっています。今回の『大奥』はこれまでで一番切ない『大奥』になると思います。まさにそれが伝わってくる脚本でした。

――「切ない」ということはラブストーリーに比重が置かれるのでしょうか?

小芝:そうですね。もちろん従来のドロドロとした展開もありますが、すごく胸が苦しくなるようなお話になっています。物語が進むにつれて、いろんな人の人物像が深掘りされていきます。そこを丁寧に描いてくださっているので、それぞれの役に愛情が持てるんですよ。「大奥で生きていくためには、こうなるしかなかった」という背景もしっかり描かれているので、面白いです。

小芝風花

――小芝さんが演じる五十宮倫子の人物像を教えてください。

小芝:倫子は本当に強い人です。足の引っ張り合いもある中で、自分はそれに染まらないという意志を強く持っていて、意地悪をされても「みんながこの大奥で生きやすくなるには、どうしたらいいんだろう」と考えることができる女性です。その真っ直ぐさが、大奥にいる人たちの気持ちを逆撫でしてしまい、ターゲットになってしまうのですが……。それでもブレないからこそ、家治(亀梨和也)が愛してくれるんだろうなと思います。揉まれてもブレない芯の強さがある人だと思いました。

――時代劇をやる上で、楽しさや難しさは感じますか?

小芝:ちょうど今も別の時代劇の現場に入らせていただいていますが、時代劇は現実と非現実の狭間にあるような気がします。まず、現代とは扮装や言葉遣いが違いますし、今の当たり前が通用しないこともあります。例えば、私たちが普通にしている「拍手」も、時代劇の頃にはありませんでした。そうした些細な仕草で戸惑うこともあるので、そこは難しいなと感じます。一方で、恋心や嫉妬の気持ちは、現代とまったく変わりません。同じところもあれば違うところもあるのが、リアルと非現実が混じった空間のように感じられて、個人的にはとても好きですね。

――衣装合わせはいかがでしたか?

小芝:今回はお姫様なので打ち掛けを着るのですが、それがもう布団をかぶっているくらい分厚いんです。腕を前に出して物を持とうとすると、それだけで筋肉が鍛えられるくらい重くて。カツラも飾りをたくさんつけるので、頭もすごく重い。でも、衣装はとっても華やかです。倫子は公家の生まれということで、衣装さんが公家らしい柄を取り入れてくれたので、どんどんきらびやかなものに変わっていきました。倫子の生まれを大事にして着物を選んでくれたので、そこにスタッフの方のこだわりを感じましたね。衣装合わせをしたときに改めて、京都で撮るからには本格的で豪華なものを目指して頑張りたいと思いました。

――まさに、今回は京都でオールロケとのことです。楽しみにしていることはありますか?

小芝:京都に3カ月ほど行かせていただくので、休みの日には神社を巡りたいと思い、御朱印帳を買いました。たくさん回れたらいいなと思っています。

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