『大奥』ラスト5分でまさかの展開　定信の異常性を体現した宮舘涼太の抜群の存在感

　しかし、第6話はラスト5分でまさかの展開を見せた。倫子の付き人であるお梅（小南満佑子）がいつも焚いているお香が気に掛かったお品（西野七瀬）。貞之助（小関裕太）に調査を依頼したところ、子をできにくくする薬草が使われていたことが判明する。お品はすぐにお梅を問い詰めるが、逃げられてしまう。

　そんなお梅が逃げ込んだ先にいたのは、なんと定信。彼は叔父である宗武（陣内孝則）の願いを聞き入れ、次の将軍となるべく家治の血筋を根絶やしにしようとその芽を摘んでいたのだ。必死の命乞いも虚しく、お梅は定信の家臣に殺される。倫子や町の子供たちに慈しみ深い微笑みを向けていた定信はどこへ行ってしまったのか。「片付けておけ」と言い放つ表情に心は全く感じられなかった。

　次期将軍の教育係という地位を手に入れた松島だが、天下を望むのは彼女だけではない。松島に切り捨てられた田沼（安田顕）は新たに御年寄の高岳（田中道子）と手を組み、反撃を企てている。一方の高岳も、お品が貞之助と恋仲にある事実を掴み、何かを企んでいる様子。それぞれが強力な武器を手に入れた今、血みどろの戦いが勃発しようとしている本作。その中でも定信の計り知れなさは群を抜いている。松島らにはまだ人間味を感じられる部分もあるが、定信にはそれがない。視聴者の誰もが予想できなかったように、その恐ろしい一面を完璧に隠すことができる定信のゾッとするような異常性を体現した宮舘。強者揃いのこの作品で抜群の存在感を見せる彼の今後に注目したい。

■放送情報
木曜劇場『大奥』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00～22:54放送
出演：小芝風花、亀梨和也、西野七瀬、森川葵、宮舘涼太、栗山千明、安田顕ほか
脚本：大北はるか
企画：安永英樹
プロデュース：和佐野健一、清家優輝、出井龍之介、庄島智之
演出：兼﨑涼介、林徹、二宮崇、柏木宏紀
音楽：桶狭間ありさ
制作協力：ファインエンターテインメント
制作著作：フジテレビジョン、東映
©︎フジテレビ
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