『春になったら』木梨憲武と中井貴一が親友役で共演 時を経ても変わらない友情描く

『春になったら』時を経ても変わらない友情

 知らぬが仏の父と娘は、よもや相手が自分のことで苦しんでいるとはつゆ知らず、知ってしまったら今度は別の悩み方をするのだから人生は複雑だ。きっと神も何十年もの間、雅彦にしてしまったことが心の片隅にあって気に病んでいたに違いない。その苦みばしった味わいをコーヒーに溶かして飲みほしていたかは神のみぞ知る。

春になったら

 人は一人で死ぬから家族も友情もあの世に持っていけないけれど、せめて最期の瞬間は素直でありたい。正直でありたいと願って死ぬ間際に行動を起こすのも人間らしいし、神に懺悔したっていいのだ。いろいろあったけど、許せる自分になれたならそれはそれでOKじゃないかとベテラン大物コメディアンと俳優の共演を観て感じた。

春になったら

 気がかりなのは瞳のことだ。雅彦にかかりきりで一馬(濱田岳)との結婚は先延ばしになり、一馬のほうは瞳を気づかい無理して塾の講師になったりする。担当医の阿波野(光石研)は「誰かががんになると、家族全員普通ではいられなくなる」と話していた。自分が普通でいられなくなっていることに瞳は気づいているだろうか。瞳が幸せになることこそ雅彦が一番やりたいことなのだが、瞳も一馬も知らず知らずのうちに大切なものを手放していやしないか。もしこれが幸せになるための試練なら、美奈子や岸(深澤辰哉)、龍之介(石塚陸翔)たちと笑顔になれるようにと願わずにいられない。

■放送情報
『春になったら』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:奈緒、木梨憲武、深澤辰哉、見上愛、西垣匠、影山優佳、矢柴俊博、光石研、橋本マナミ、筒井真理子、小林聡美、濱田岳
脚本:福田靖
監督:松本佳奈、穐山茉由
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、白石裕菜(ホリプロ)
音楽プロデューサー:福島節
主題歌:福山雅治:(Amuse Inc. / Polydor Records)
制作協力:ホリプロ
制作著作:カンテレ
©︎カンテレ
公式サイト: https://www.ktv.jp/haruninattara/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/haru_ktv
公式Instagram:https://www.instagram.com/haru_ktv/

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