『ブギウギ』水上恒司が全身全霊で駆け抜けた一生　愛助は文字通り“愛の人”だった

　音の消えた世界に生まれたての赤ん坊の声だけが響く。愛助がとうとう帰らぬ人になってしまった。最期の一瞬まで水上恒司は全身全霊で愛助を演じきった。スズ子の魅力について熱弁をふるう表情、愛する人に向けたとびきりの笑顔、周囲の人々への温かな眼差し。懐が深くて頼もしく、まっすぐ愛情を捧げる愛助は文字通り“愛の人”だった。

　愛助の不在は作品全体に影を落とし、物語の転換点になり得る。愛助がいないことで、スズ子は幼い我が子と二人で生きていかねばならない。愛助は歌手・福来スズ子の最大の理解者であり、身近にいる唯一の家族だった。愛助を失った悲しみがスズ子の中で消えることはないだろう。愛助の忘れ形見である赤ん坊をスズ子は1人で育てていく。たとえ何があっても。それが愛助の願いでもある。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合：午前8:00〜8:15、（再放送）12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K：7:30〜7:45、（再放送）11:00 〜11:15
出演：趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本：足立紳、櫻井剛
制作統括：福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー：橋爪國臣
演出：福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供＝NHK