『おっさんずラブ』井浦新の美しく危うげな魅力が光る 和泉は今後の物語のキーパーソンに

『おっさんずラブ』井浦新の謎多き魅力が光る

 不意打ちキス、そして「うるせえ唇だな」という衝撃のツンデレ台詞で幕を閉じた『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)第2話がSNS上を席巻した。視聴者の驚き冷めやらぬ中で放送された第3話では、井浦新演じる和泉の美しく危うげな魅力が光っていた。本作は、個性豊かなキャラクターの愛と信念を貫いた物語であり、コメディ要素を持ちつつ様々な「愛」の本質に迫る。そんななかで、ミステリアスな和泉の存在は今後の物語のキーとなるだろう。

 和泉を演じる井浦は、もともとファッションモデルとして活躍していた。演技面においては、1999年の『ワンダフルライフ』が映画初出演となる。その後は、『ピンポン』(2002年)、『蛇にピアス』(2008年)など次々に出演し、俳優としても活躍の場を広げることに。

 テレビドラマでは『アンナチュラル』(TBS系)で中堂系役を演じ、偏屈で口が悪いが実は一途な想いを心に秘めるという魅力ある役どころで、多くの中堂ファンを生み出した。また、『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系)では“入れ替わり”の芝居に挑戦。麻生久美子演じる漫画家・唯月巴が亡くなった後の憑依先である田中マサオ役を担う。 “見た目はマサオだが心は巴”という複雑な役柄を見事に演じ、その芝居があまりにも“麻生久美子の巴”そのものだったことも大きな話題となった。

 また、『最愛』(TBS系)では主人公の真田梨央(吉高由里子)を献身的な愛で守り抜こうとする弁護士の加瀬役を演じ、控えめだが一途な愛を表現する井浦が視聴者の心を鷲づかみにした。この時の、加瀬の落ち着いた色気と内に秘めた頼もしさを前に、井浦の魅力に開眼した人も多かったことだろう。2023年末に公開された映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』では、元アイドルの女性と同居する不思議な男性・ササポン役を演じ、優しく温かい存在感でヒロインの再生をそっと導いた。ミステリアスな役から思わずクスリと笑えるようなキャラクターまで幅広く演じる井浦だが、その物憂げな瞳と、彼だけが持つ独特の雰囲気はどの作品においてもいいスパイスとなっている。井浦が演じたからこそ、強く印象に残った役も数多くあるだろう。

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