『ダンジョン飯』は飯テロアニメとして文句なし! 映像化を成功に導いたTRIGGERの手腕

『ダンジョン飯』こだわり抜かれたアニメ化

 そんな食事シーンや戦闘シーン、そしてダンジョンを攻略していくライオスたちの日常描写などを活き活きと描きだすのが、TRIGGERのクオリティの高いアニメーション。闊達でノリの良いアクションに定評のあるTRIGGERのアニメーションだが、本作では食事シーンの丁寧な動きや、キャラクターの感情の機微を感じる表情やリアクションなど、これまで手がけてきた作品とは異なる魅力を生み出している。

 そしてキャラ同士での掛け合いのシーンなどでは、そこに絡んでない他のキャラの行動などもキチンと描かれ、それが「ダンジョンを探索して生計を立てている」冒険者たちのいる世界のリアリティを産み出しているのだ。キャラクターに注目すると、なかなか魔物料理に馴染めないヒロイン・マルシルが見せるかわいくも笑えるリアクションの数々にも注目だ。今冬の『葬送のフリーレン』に続いて、またもや美少女エルフのヒロインがアニメファンを虜にするかも?

 原作は先日コミックスの最終刊が発売されて全14巻で完結。原作ファンはそれぞれのキャラクターが背負った背景の数々もわかった上でアニメを観る事になるが、その点も心配無用。今回の先行上映版は原作スタート時のエピソードがベースだが、ライオスのサイコパス気味なモンスターへの執着やマルシルのエルフらしからぬ一面など、キャラクター描写が原作が進むにつれて露わになっていった要素も踏まえたものになっている。すでに原作を読んでいる人なら、そういうこだわりの部分も楽しめるはずだ。

 「狂乱の魔術師によって地下に封じられた黄金の国」へと繋がるダンジョンの謎という壮大なファンタジーと、「仲間」や「食べること」の大切さへのこだわりという日常が対等に描かれていく唯一無二のグルメファンタジーアニメ『ダンジョン飯』。ぜひTV放送前に、劇場の大スクリーンとリッチな音響でこの世界を楽しんでほしい。

■公開・放送情報
『ダンジョン飯』
2024年1月4日(木)より全国28局にて連続2クール放送

『ダンジョン飯 〜Delicious in Dungeon〜』
新宿バルト9ほか限定公開中

キャスト:熊谷健太郎、千本木彩花、泊明日菜、中博史、早見沙織、三木晶、川田紳司、加藤渉、高橋李依、富田美憂、奈良徹、広瀬裕也、河村螢、小林ゆう
原作:九井諒子
監督:宮島善博
シリーズ構成:うえのきみこ
キャラクターデザイン:竹田直樹
モンスターデザイン:金子雄人
コンセプトアート:嶋田清香
料理デザイン:もみじ真魚
副監督:佐竹秀幸
美術監督:西口早智子、錦見佑亮(インスパイア―ド)
美術監修:増山修(インスパイア―ド)
色彩設計:武田仁基
撮影監督:志良堂勝規(グラフィニカ)
編集:吉武将人
音楽:光田康典
音楽制作:KADOKAWA
音響監督:吉田光平
音響効果:小山健二(サウンドボックス)
録音調整:八巻大樹(クラングクラン)
アニメーションプロデューサー:志太駿介
アニメーション制作:TRIGGER
製作:「ダンジョン飯」製作委員会
オープニング主題歌 「Sleep Walking Orchestra」 BUMP OF CHICKEN(TOY'S FACTORY)
エンディング主題歌 「Party!!」 緑黄色社会(Sony Music Labels)
©九井諒子・KADOKAWA 刊/「ダンジョン飯」製作委員会
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/dun_meshi_anime
公式サイト:https://delicious-in-dungeon.com

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