『フェルマーの料理』岳と海の“相棒”に近い関係性 板垣李光人が複雑な心情を際立たせる

『フェルマーの料理』高橋文哉の言葉選び

 物語の主人公には、互いを認め合う心強い仲間となる、良きライバルが存在するもの。しかしTBS金曜ドラマ『フェルマーの料理』の主人公・岳(高橋文哉)と海(志尊淳)の関係性は、ライバルというよりも、共に料理の壁に立ち向かう“相棒”に近い雰囲気を感じさせる。その理由は、今週放送の第3話で明らかになった。岳には、“ライバル”と呼べる別の人物の存在があったのだ。すでに数学の道から「K」の一員として料理の世界へ歩み出した彼は、かつてのライバルに振り回される羽目になるとは微塵も思っていなかっただろう。

 ここまでさまざまな料理のテクニックが登場してきた『フェルマーの料理』だが、今回岳が注目したのは、素材の“組み合わせ”。特定の素材を組み合わせることで、料理の旨味に相乗効果が生まれるというアイデアは、蘭菜(小芝風花)が作った新メニューの候補から生まれたものだった。

 蘭菜は料理界ではタブーとされてきた肉と魚介の組み合わせを、旨味の相乗効果を用いて見事に調和させてみせた。その味は海が「さすがだ」と褒めるほど。試食した岳は味を数式に当てはめて逆算し、蘭菜が採用した豚と蟹を掛け合わせた“仕掛け”を見事に言い当てる。そんな岳に海は、特別なお客様をお迎えする臨時休業日の厨房を任せることに。一方で、岳も「海さんに話があって」と2人きりで話すタイミングを話していた様子。海の話から察するに、どうやらレストラン「K」の出どころ不明の収入と“大事なお客様”には繋がりがある様子。

 第3話では、岳にとってライバルとなる2人の人物にスポットが当たる。1人は現在の料理の道におけるライバルとなる孫六(板垣李光人)だ。前回の賄いトライアルで多くの仲間から認めてもらい、ようやく多くのメンバーから名前を教えてもらった岳。しかし、孫六はまだ岳に名前を教えていない。今回岳のサポート役に任命された孫六だが「与えられた仕事は精一杯やらせてもらいます。俺は自分のことはてっぺん取る人間だと思ってますから」とその負けず嫌いな性格に、岳との相性を思うと序盤からヒヤヒヤしてしまった。

 そしてもう1人のライバルが、冒頭で触れた過去のライバルーー今回の“特別なお客様”、岳の幼なじみの神楽(久保田紗友)だ。「数学の道は諦めたということですか?」と岳を問い詰める彼女は、幼いときから岳と数学で競い合ってきた、岳のライバルとも呼べる人物。頭脳明晰な神楽は、問題をただ解くだけでは意味がないと考えており、問題を解くまでの過程を重要視している。

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