『ブギウギ』水川あさみがもっとも頼もしい存在に 作品そのものの母になることへの期待
さらに水川はコメントで、「脚本家の足立(紳)さんと、またご一緒出来る事もうれしく、足立さんの描くツヤの台詞がスーっと体に染み込んできます。『ブギウギ』にふさわしいスタートを走り出せるよう、ツヤに没頭する日々を、心ズキズキワクワク楽しみたいと思います」と続けている。そうなのだ、本作で脚本を担当する足立紳と水川は『喜劇 愛妻物語』(2020年)でも作品をともにしている。同作は原作も脚本も監督もすべて足立が手がけているもの。“足立作品の真髄”に触れたことのある水川は『ブギウギ』においてもっとも頼もしい存在なのだ。
しかも『喜劇 愛妻物語』で水川が演じていたのは、ダメダメな夫に対して切れ味の鋭い毒舌をつねに浴びせかける恐妻だった。夫を演じた濱田岳の受けの演技があってこそ成立したものではあるが、この作品はほとんど“水川あさみ劇場”が繰り広げられていた。そのパフォーマンスに圧倒されながら、笑い過ぎて涙が出たほどである。この“恐妻”という役どころも、どこかツヤと重なるところがある。『ブギウギ』で水川がツヤを演じるのは必然なのだ。夫の梅吉を演じる柳葉敏郎とのやり取りに注目していくのとともに、彼女が作品全体の母となることにも期待が持てる。
水川あさみがスクリーンで輝く 『喜劇 愛妻物語』『ミッドナイトスワン』『滑走路』での存在感
この秋、水川あさみがすごい。『喜劇 愛妻物語』での“毒舌奥さん”役に、続く『ミッドナイトスワン』での未熟な母親役ーーそんなキャラ…
もちろん、水川が得意とするのはこういった役どころだけではない。現代の日本社会が抱える問題点を登場人物たちに託した『滑走路』(2020年)で主演を務めているし、足立が原作・脚本を手がけたボクシング映画『アンダードッグ』(2020年)でもヒロインを務め、シリアスな演技に徹している。ここまでに挙げてきた水川の出演映画はいずれも2020年の公開であり、この年にはさらに『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』と『ミッドナイトスワン』も公開された。“水川あさみイヤー”と呼べる状態だったのだ。
現在は『ブギウギ』の放送開始だけでなく、『沈黙の艦隊』も封切られたところであり、『唄う六人の女』の公開も控えている。今年は残すところあと3カ月だが、ここから“水川あさみタイム”がはじまるのかもしれない。
参照
https://realsound.jp/movie/2023/02/post-1249024.html
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK