『劇場版 君と世界が終わる日に』はファンならずとも必見 竹内涼真が下した“究極の決断”
6月26日に豪華版Blu-ray&通常版DVDが発売される『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』は、Season1から4の完結版として、ファンならずとも必見の内容である。
本作を未見の方に向けて、イントロダクション代わりに劇場版の位置付けを確認したい。日本テレビとHuluの共同製作による『君と世界が終わる日に』(以下『きみセカ』)は、2021年1月から3月にかけて放送され、地上波ゴールデンタイム初の本格ゾンビアクションとして注目を集めた。生きる屍“ゴーレム”に占拠された終末世界で、主人公の間宮響(竹内涼真)が恋人の小笠原来美(中条あやみ)と離ればなれになりながらも、仲間たちと命がけのサバイバルを繰り広げる様子が感動を呼んだ。
Season2以降はHuluで配信され、2021年、2022年の年間視聴者数ランキングで2年連続総合1位を獲得。地上波のスペシャルドラマを間に挟んで、2023年3月から配信されたSeason4の続編が『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』である。Season4で響は来美との永遠の別れを経て、何者かに連れ去られた娘ミライの行方を追う。刑務所の囚人やゴーレムとの壮絶なバトルを生き延びた響は、新山財団の令嬢・明日葉(玉城ティナ)や再会したSeason1からの仲間である佳奈恵(飯豊まりえ)と別れて、生き残った人類が暮らす高層タワー「ユートピア」の研究棟へ向かった。劇場版は響の足跡を追っていく。明日葉と佳奈恵のその後はHuluで配信中のSeason5で描かれる。
本作の見どころを挙げてみよう。舞台となるユートピアの研究棟は外部から隔離された施設だ。研究棟で行われているのはゴーレムウイルスのワクチン開発で、主導しているのはSeason3で姿をくらました元大学院生のシンジ(須賀健太)だった。響が探し求める娘のミライ(英茉)は最上階にいて、シンジの監視下にあった。
本作は響がミライと再会するまでがストーリーの軸になっているが、新たに登場するキャラクターが重要な役割を担っている。とび職人の大和(高橋文哉)と幼なじみで看護師の葵(堀田真由)は、過去に響と来美に会っている設定で、互いを想い合いながら引き裂かれる2人はかつての響と来美に重なる。最後まで観るとこの2人が果たす役割の大きさに気づくのだが、物語のカギを握る若手トップのコンビに注目してほしい。
人気俳優を惜しげなく投入してきた本シリーズであるが、本作でも豪華な顔ぶれが参加している。研究棟のトップ・西条(吉田鋼太郎)は劇場版のラスボス的存在である。響と最上階を目指すユートピアの住人に板垣李光人、黒羽麻璃央、窪塚愛流、彼らを迎え撃つ警備兵のリーダーを味方良介が演じ、「謎の女性」役で朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)が印象的だった吉柳咲良が出演するなど最旬キャストが顔をそろえた。