『らんまん』大喜&百喜が継いだ万太郎の美点 木村風太と松岡広大が物語のアクセントに

『らんまん』大喜&百喜が継いだ万太郎の美点

 NHK連続テレビ小説『らんまん』第121話では、万太郎(神木隆之介)が寿恵子(浜辺美波)へ大学を辞めたいという意思を伝えた。万太郎の職がなくなるということは、今後の槙野家の生活が左右される一大事だろう。当然、このことは子供たち4人を含めた家族会議へと発展した。

 万太郎の思いを聞いて、次男の大喜(木村風太)は「こんな馬鹿げたことでお父ちゃんが辞めなきゃいけないなんて」と訴え始めた。ああ、やっぱり子供たちは大反対か……と思ったが、大喜は「お国の方が馬鹿げている」と言う。最近、木々がしっかり根を張る森林があることが山崩れを防ぐことに繋がっており、災害の多い日本では重要な役割を果たしていることを授業で習ったらしい。

 そんな大喜は現在の東京大学や千葉大学の前身となった旧制一高に通っている。万太郎に似て優秀なようだ。だが、思ったことをすぐ口に出してしまうところがあり、「(生活に困ったら)一高辞めて働きに出てもいいし!」と言って姉の千歳(遠藤さくら)から咎められていた。こういうところはまだ少し子供っぽくてかわいらしい。

 大喜を演じる木村風太は、1999年生まれの24歳ながら朝ドラへの出演は、『カーネーション』(2010年度後期)、『おちょやん』(2021年度後期)に続いて3作目。『おちょやん』では千代(杉咲花)が奉公した芝居茶屋「岡安」の孫にあたる富川一福を演じた。戦死してしまった父・福助(井上拓哉)はトランペットを吹いていたのだが、幼い一福は父からトランペットを教わるのを嫌がっていた。だが、千代も関わった「天海天海家庭劇」に出演し、トランペットで母のみつえ(東野絢香)が笑顔になったことをきっかけに、それ以降、みつえの家族が営む店・「岡福」でうどんを茹でる仕事をしながら、トランペットを続けた。一福は成長にあわせて何度か演じる俳優が変わったが、母を支える立派な青年期を演じたのが木村である。本作の大喜役もそうだが、木村の希望に満ちている表情はとても印象的だ。若人らしい前向きさがこちらの気持ちを晴れやかにしてくれる。

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