『フォレスト』謎が明かされ募る“純”岩田剛典への恐怖 “塔子”水野美紀の快演にも期待

『フォレスト』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第4話ではさまざまな謎が明かされたが、一ノ瀬純(岩田剛典)への恐怖が募った回だった。毎回思うのだが、岩田剛典はどうしてこんなにも“優しいヤバ男”を体現するのがうまいのだろう。優しさとヤバさを共存させるのって、なかなか難度が高いはずなのに、岩田はそれをさらりとやってのける。純が、「絶対に良い人じゃん!」と感じさせるような優しい笑顔を浮かべるたび、なぜか“怖い”と思ってしまう自分がいるのが不思議だ。
まず、現段階で、純は3年前にブランフォレストで起きた食中毒事件の容疑者候補に名前が挙がっている。正直、同じ服と帽子を持っていただけで、怪しいと決めつけるのは安易な気がするし、「そもそも犯行時に使っていたものをそのまま取っておくだろうか?」と思ってしまうが、純には動機があるから信じ切ることもできない。
純は、弟のリョウスケが失踪した場所にテレフォンカード(=ブランフォレストの社員しか持っていない記念品)が落ちていたから、ブランフォレストの人間たちを疑っているのだろう。幾島鈴子(松田美由紀)の誕生日会のとき、何者かがリョウスケが使っていた吸入器を純の前に置いたこともあり、疑念が深まっているのだと思う。
ただ、純の母・一ノ瀬茜(黒沢あすか)もかなりの曲者そうだ。リョウスケが失踪したときは死に物狂いで探しまくっていたのに、たった3カ月で捜索願いを取り下げた。そして、その直後に借金を全額返済したらしい。これはつまり、どこかから大量のお金が入ったということ(?)。純が「どうして、リョウスケが死んだと思ったの?」と聞いたとき、「仕方なかった。仕方なかったのよ!」と答えていたのにも、恐ろしさを感じてしまった。茜は、息子の命よりも借金返済のための金を取ったのだろうか。
そして、篠田塔子(水野美紀)は、やっぱり精肉店の店主・中西宏樹(吉田ウーロン太)の妻だった。3年前、ブランフォレストで起きた食中毒事件のことを調べるために、幾島家に忍び込んだのだろう。だから、鈴子の誕生日会のときも、「食中毒ってことは、保健所の調査が入ったんですよね?」「抜け目ないって? どういうことですか?」としきりに事件のことを聞いていたのだと思う。
もしも、夫に責任があると思っていたら、塔子もここまで幾島家に執着しないはずだ。「何か“裏”があるのでは?」と感じたから、鈴子の専属医師になり、幾島家に潜入したのだろう。そもそも、鈴子が中西の妻の顔を知らない……というのも、彼女の冷酷さを表しているような気がしてゾワっとする。ふつう、取引先の精肉店の店主(しかも、自分が経営しているホテルで起きた事故がきっかけで自殺をした)が亡くなったら、葬儀くらいは参列するものではないだろうか。