イ・ジュンギ、『アスダル年代記』で新たな挑戦 現代劇でも時代劇でも重宝される理由

イ・ジュンギが重宝される理由

 イ・ジュンギ主演の韓国ドラマ『アスダル年代記』(原題『アラムンの剣』)シーズン2がディズニープラス スターで9月16日から配信される。2019年の前作では、英雄タゴン(チャン・ドンゴン)、災難の星と呼ばれる運命を背負って生まれたウンソム(ソン・ジュンギ)、氏族長の娘タニャ(キム・ジウォン)らが出会い、運命が大きく動いた。

 コロナ禍によりシーズン2の制作がストップするなどの紆余曲折もあったが、新シーズンも続投するチャン・ドンゴン、新キャストとして前作の演者からバトンタッチとなったウンソム/サヤ役のイ・ジュンギ、タニャ役のシン・セギョンらによる新展開が見どころとなる。本作は太古の英雄ファンタジーといえる時代設定だが、現代劇だけではなく、時代劇とも相性が良く、圧倒的な存在感で魅了する役者といえば、イ・ジュンギをおいて他ならないだろう。

 イ・ジュンギは、1982年4月17日生まれの現在、41歳。2001年に広告モデルとして芸能界の道へ進み、2004年の『ホテル ビーナス』で映画デビューを果たした。草彅剛主演の同作はバラエティ番組『チョナン・カン』(フジテレビ系)から生まれたスピンオフ映画で、日韓のキャストは全編韓国語で話し、市村正親演じるオーナーのもと、ワケありの流れ者たちが集まる「ホテル ビーナス」での人間模様がモノクロの世界観により映し出されている。映画初出演だったイ・ジュンギは、幼い頃、親に置き去りにされた自称“殺し屋”という4号室で暮らす「ボウイ」を瑞々しく、そしてどこか物哀しく演じていたのが印象的。「ボクは誰よりも強いんだ」と息巻くボウイの姿から、孤児として生きてきた悲しさと強さを漂わせ、当時からすでに奥に秘めたポテンシャルの高さを垣間見せていたイ・ジュンギだった。

 以降も、2004年の日韓合作ドラマ『STAR'S ECHO〜あなたに逢いたくて〜』や、宮﨑あおいと共演した2007年の日韓合作映画『初雪の恋 ヴァージン・スノー』と日本と縁のある作品に出演。韓国だけではなく、日本でもその名を広めてきた。

『王の男』写真:Everett Collection/アフロ

 もっとも、イ・ジュンギが一躍脚光を浴びたのは、2005年の映画『王の男』。時代劇のヒットは難しいとされたジンクスを打ち破り、異例のロングラン上映となった結果、イ・ジュンギは大ブレイクした。それまで数々のオーディションに落ちていた彼が、何千倍ものオーディションを勝ち抜いて同作の旅芸人コンギル役を熱演。朝鮮時代に王に寵愛されるコンギルを妖美かつ大胆に披露した。同作でイ・ジュンギは、第43回大鐘賞の新人男優賞などを獲得。また、最優秀作品賞、監督賞ほか主要10部門を受賞した記念すべき作品となった。

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