『らんまん』“寿恵子”浜辺美波が見せてきた商才の片鱗 渋谷での商売という新たな冒険へ

『らんまん』寿恵子が見せてきた商才の片鱗

 連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)の第22週となる「オーギョーチ」が放送された。万太郎(神木隆之介)が国の学術研究員として台湾に行っている間も、寿恵子(浜辺美波)は仕事と子育てに明け暮れていた。新橋の料亭「巳佐登(みさと)」での仲居の仕事も板につき、頼もしさにも磨きがかかる。

 今週改めて印象的だったのが、寿恵子の“世渡り上手ぶり”ではないだろうか。これまでも寿恵子はあっと驚くような行動で何度も万太郎の危機を救ってきた。妻としてのたくましさは母としての頼もしさとなり、寿恵子が槙野家を支える姿は『らんまん』にとっても大きな見どころの一つである。

 これまでの『らんまん』で、寿恵子は度々「商才の片鱗」を見せてきた。その一つは、質屋の中尾(小倉久寛)とのやりとりだろう。質入れでは、いつもちゃっかり値段交渉し、言い値では引き下がらない。家計の管理においても、万太郎が自由に植物の研究に没頭できるように徹底したやりくりをしている。だからこそ万太郎は金銭的な事情を理由に夢を諦めずにすんでいるのだ。

 さらに寿恵子は借金取りにさえ、立ち向かう。借金の取り立てにきた磯部(六平直政)を巧みな話術で丸め込むだけでなく、万太郎の才能と植物図譜を“営業”。返済期限の延長に加えて更なる金を引き出すなど、ちまたの営業職もびっくりの才能で切り抜けた。

 叔母のみえ(宮澤エマ)もまた、寿恵子の才能には気づいている様子。みえから「姐さん方が、いらっしゃるまで頼むわよ」と言われた寿恵子は芸者が到着するまでの間、大好きな馬琴先生の『南総里見八犬伝』を講談風に披露する「八犬伝講談」で軍人たちの心を掴む。店のピンチをチャンスに変えることができる寿恵子の度胸は芸者からも認められており、「巳佐登さんは、お寿恵ちゃんがいるから楽だわ」と声をかけられていた。

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