『ノキドア』罪悪感が引き起こした最悪な事件 倒理と氷雨の過去にも“贖罪”が関係?

『ノキドア』罪悪感が引き起こした最悪な事件

 贖罪の連鎖ーー。『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)第3話で描かれたのは、違法労働が招いた事故に関わった人々の自責の念。謝りたかったのに、謝れなかった。罪を背負いたかったのに、背負えなかった。そんな罪悪感が、最悪な事件を引き起こしてしまった。

※以下、『ノッキンオン・ロックドドア』第3話のネタバレを含みます

 第3話で、御殿場倒理(松村北斗)と片無氷雨(西畑大吾)が解くことになったのは、元衆議院議員の南雲弘伸(大河内浩)がスピーチの最中に殺された“衆人環視の毒殺事件”の謎。

 南雲が飲んだシャンパンから毒が検出されていたため、「じゃあ誰かが毒を入れたのでは?」と安易に考えてしまったが、そのグラスは南雲自身が、給仕係のトレーからランダムに取ったもの。しかも、会場内のほかの飲食物からは毒が検出されなかった。だとすれば、誰がいつどこで南雲の手にだけ渡るように毒物を仕掛けたのか……? 犯罪コンサルタントの糸切美影(早乙女太一)が犯人に提供したトリックは、さすが高難度だ。

 明らかに怪しい動きをしていたため、南雲の秘書の浦和敬人(丸山智己)が真犯人だと思った人もなかにはいるのではないだろうか。たしかに、被害者と信頼関係がある浦和なら、理由をつけて薬を飲ませることも可能だ。それに、救急車で病院まで付き添ったのなら、その道中で薬の袋を回収することもできる。「嘘をついて毒を飲ませるなんて、美影のトリックとしては簡単すぎる」と氷雨にお叱りを受けるだろうな……と思いつつも、それしかないような気がしていた。

 しかし、真犯人は南雲の運転手・堀田浩一郎(長田成哉)だった。堀田は、3年前に起きた事故で、大事な仲間を亡くしている。その事故の原因となったのは、納期を遅らせたくないがための違法労働。風速が規定の数値を超えていたのに、浦田が南雲に「納期が間に合うことを優先させるべき」と進言してしまったのだ。その結果、作業員と一般人の計5名が命を落とした。

 堀田は亡くなった仲間に、「風が強くて怖い」と無理やり作業を押し付けてしまったらしい。もしも、クレーンに乗ったのが自分だったら……。そんなことを考えているうちに、自責の念に駆られるようになってしまったのだろう。そして、彼への贖罪のために南雲を殺害した。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる