『ばらかもん』一期一会の緊張感が楽しさを生む 『大豆田とわ子』に続く豊嶋花の好演も

『ばらかもん』一期一会の緊張感が生む楽しさ

 半田清舟(杉野遥亮)が“自分の字”を体得し、ついに五島を去ることになる『ばらかもん』(フジテレビ系)第4話。

 清舟の元には体育祭のゼッケンに続き、琴石なる(宮崎莉里沙)の祖父・耕平(花王おさむ)からは神社の建て替え時の寄付者一覧の書き換え依頼と、山村美和(豊嶋花)の父・巌(宍戸開)から趣味で買った中古船の船体への船名書きの依頼が舞い込む。

ばらかもん

 いつもとは勝手が違い、道具はペンキに刷毛、船体はカーブしているし失敗は許されない。さらに巌指定の船名は“唯我独尊丸”と字数が多くバランスを取るのが難しい上、巌自身は下書きをする予定調和な仕上がりは望んでいないようだ。

 急に白い船体が怖くなり、なかなか最初の一筆目が踏み出せない清舟の焦りや恐怖を尻目に、なるたち小学生は無邪気に自分の手形をつけていく。しかし“とにかくこの手形を隠さなければならない”状況になった瞬間、清舟の中で迷いが吹っ切れ、筆が進む。手形があるだけで一気に重圧がなくなり、思い切りのよさや勢い、大胆さが顔を出し筆の運びはみるみるうちに軽やかになる。

ばらかもん

 失敗できない、上手く書かなければならない、相手の期待を超えなければならない……。様々な邪念に絡みとられがちな清舟がいつもと違う条件下でも無邪気に筆を走らせ、“一期一会”の緊張感とそれゆえの高揚感を目一杯楽しめている。

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