『らんまん』里中「やめるなよ」の切ない念押し 寿恵子は万太郎の代案に思わず絶句
『らんまん』(NHK総合)第88話で、万太郎(神木隆之介)は野田(田辺誠一)と里中(いとうせいこう)に博物館で研究をさせてもらえないかとお願いする。野田も里中も、万太郎の立場は理解している。受け入れてやりたい気持ちはあると思うが、その表情は晴れない。里中は「申し訳ない。大学と博物館は協力関係にある」と言った。
田辺誠一といとうせいこうの表情が、万太郎を気にかける野田と里中の胸中を物語る。
「本当にね、君が好きだよ」と万太郎に話しかける野田のやわらかな表情が印象に残る。野田は自分と里中に憧れ、植物学に進んだ万太郎を「いとおしいに決まってる」と言った。
「だから、友として言わせてくれ」
「君の才能を評価する人はほかにもいる」
「君はまだ若い。いくらでも羽ばたける」
「君を高く評価している人がいるんだ」
「ロシアのマキシモヴィッチ博士だ」野田と里中は、友人として万太郎に助言します。
「君はまだ若い。いくらでも羽ばたける!」
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— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) August 1, 2023
万太郎に語りかける野田のハキハキとした口ぶりとまっすぐなまなざしに見ているこちらも励まされる。野田は、目の前にいる将来有望な青年が道を閉ざすことを決して望んでいない。野田と里中が提案したロシアのマキシモヴィッチ博士のもとで研究するという選択肢に、万太郎は心を動かされる。しかし身重の寿恵子(浜辺美波)と幼い娘のことを考えると難しいと判断した。
そんな折、終始厳しい顔をしていた里中が「槙野くん」と呼ぶ。
「やめるなよ」
野田も真剣な面持ちで万太郎に語りかけていたが、里中を演じているいとうはより切実な表情でこの短い言葉を発した。真剣な物言いからも、里中が万太郎を心から心配していることがうかがえる。「やめるなよ」という言葉は、万太郎に植物研究を諦めてほしくない、里中と野田の願いでもあるだろう。