『マーベルズ』本予告の注目ポイント解説 『ファンタスティク・フォー』への伏線も?

『マーベルズ』本予告の注目ポイント解説

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします! 今日は先日公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の超大作『マーベルズ』の最新予告編を見ながら、気になるところを解説します。

映画『マーベルズ』本予告

このタイミングでの予告編公開

 本作の予告編は、第2弾予告編になります。まずこのタイミングで公開されたことに納得と驚きがありました。まずサンディエゴ・コミコン期間中のリリースだったということです。これは納得。ご存じのように、今回のコミコンは俳優ストで映画会社がパネル(プレゼンテーションの場)を見送りました。

 もしストがなかったら、マーベル・スタジオもキャスト&スタッフを呼んで大きなパネルをしたはずで、そこでこの予告編を解禁するつもりだったのでしょう。つまり、7月下旬に向けてこの予告編は準備されていたと思われます。

 一方、ビックリしたのは“7月27日以降”でなかったことです。というのも、7月27日は今ディズニープラスで配信されている『シークレット・インベージョン』の最終回の日。この日より前にこの予告編を見せたことに驚きました。『シークレット・インベージョン』も『マーベルズ』もサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが登場します。『シークレット・インベージョン』でニック・フューリーの運命がどうなるかハラハラしている真っ只中なわけですが、『マーベルズ』の予告に出てくるということは、この『シークレット・インベージョン』の危機が一応解決するということが最終回前にわかってしまったわけです(笑)。

『キャプテン・マーベル2』としての予告編

 『マーベルズ』には3人の女性ヒーローが登場します。ブリー・ラーソン演じるキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル、テヨナ・パリス演じるモニカ・ランボー/フォトン(コミックではキャプテン・マーベルを襲名したことあり)、イマン・ヴェラーニ演じるカマラ・カーン/ミズ・マーベルです。

 いずれも“マーベル”の名を持つ超人たちなので“マーベルズ”と複数形です。第1弾予告編は、この3人の関係を紹介する感じで超人版女子会みたいな楽しい予告編でした。しかし、今回の予告編はキャロル・ダンバース/キャプテン・マーベルがよりフィーチャーされていて、特に彼女の飛行シーンが目立ちます。MCUの中でも優雅かつパワフルな飛行能力を持っていますから、彼女ならではの魅力がよくでています。個人的に前回の予告編はマーベルズという集団ヒーローもの、今回は『キャプテン・マーベル2』とも呼ぶべき作品の予告編に仕上がっていると思いました。

 この予告編を見る限り、例のサノスの事件のあとキャロルは宇宙に戻り、銀河の平和を守っているようです。

 そしてフューリーもまた、宇宙ステーション“セイバー”にいる。時系列的に考えるとフューリーは『シークレット・インベージョン』で地球に帰ってきましたが、また宇宙に戻ったんでしょう。

 キャロルはずっとあの姿で宇宙を飛び回っているかと思いきや、宇宙船に乗って移動しているんですね。

 彼女の船内(室内)にはランボー母娘の写真と新聞記事のクリップが貼ってあります。モニカ・ランボーは宇宙服を着ている新聞写真ですから、彼女が宇宙飛行士として有名なことがわかります。あ、猫(正確に言うと猫に似ているエイリアン・クリーチャー、フラーケン)のグースちゃんはキャロルがひきとっていたんですね。

 この段階で3人の女性ヒーローたちがバラバラの場所にいることがわかります。キャロルは銀河のどこか、モニカは恐らくフューリーと一緒に宇宙基地セイバーの中、ミズ・マーベルことカマラはニュージャージーです。

 ちなみにコミックではご存じシールド(盾)に対してソード(剣)という組織があり、ソードは宇宙からの脅威に対応するチームですが、MCUではさらにセイバーという宇宙基地が出ています。

 セイバーはサーベル、ライトセーバーのセーバーですからやはり剣という意味ですね。

メインヴィランは“ロキ”の奥さん!

 さて、3人バラバラな場所にいる彼女たちが戦う敵はだれか? マーベル・スタジオのロゴの後に登場し、キャプテン・マーベルを「破壊者」と呼び「お前はすべてを奪った」と言っている女性。彼女はダー=ベンというキャラです。原作コミックでは男性でしたが、本作では女性版で登場します。

 ダー=ベンは、スクラルやザンダー星の宿敵クリー人です。このダー=ベンが謎のバングルとハンマーのような杖を持っていることに注目。このバングルは、『ミズ・マーベル』でカマラが身につけた結果、彼女のパワーを覚醒させたあの腕輪と同じ。そして持っている杖は、前作『キャプテン・マーベル』(そして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)のヴィランだったロナン(これまたクリー人)の持っていたものと同じです。つまり『ミズ・マーベル』と『キャプテン・マーベル』の重要アイテムを手にしたヴィランなのです。キャプテン・マーベルはクリー人にとって憎むべき相手ですから、ダー=ベンが憎むのも無理はない。

 ダー=ベンのキャプテン・マーベルに対する私怨が戦いの理由かとも思いましたが、キャロルはキャロルでダー=ベンのことを「彼女の狙いはすべての惑星」と言っているので結構危ない奴なんでしょう。なおこのダー=ベンを演じるゾウイ・アシュトンは実生活ではロキ役のトム・ヒドルストンと結婚しています。夫婦そろってMCU入りです。

3人がなぜチームを組むのか

 この後の展開は最初の予告篇でも語られていましたが、3人のうちの誰かがパワーを使う度場所が入れ替わってしまう。だから3人はチームを組むわけしかないのです。一方、MCUの時系列では、カマラがパワーを得てからこの現象が起こりました。ということはカマラがきっかけなのでしょうか?

 ダー=ベンがカマラと同じバングルを身に付けるシーンからもわかるように、このバングルにはなにかすごい秘密がある。そして今回はバングルの正体が明かされるのでしょうか。このバングルが『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のテン・リングスや征服者カーンとつながっている、という説もあり今後のMCUに大きく影響するアイテムであることは間違いないでしょう。なおキャロルとモニカは飛行能力があるようですがカマラは飛べないのかな。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる