『ハヤブサ消防団』中村倫也の親しみやすさ全開? 『下町ロケット』から8年間で築いた礎

『ハヤブサ消防団』中村倫也の親近感湧く魅力

 7月13日よりテレビ朝日系で放送がスタートする、池井戸潤原作の木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』。『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』など数々のヒット作を世に送り出してきた池井戸作品の映像化の中でも、山間の小さな集落を舞台にしたミステリーという異色の本作で、都会から引っ越してきたスランプ気味の作家・三馬太郎を中村倫也が演じる。太郎は都会のストレスから解放され、穏やかな生活が送れるかと思いきや、地元の消防団に加入したのを機に怪事件に巻き込まれていくことに。

 本作で川口春奈、満島真之介、古川雄大、山本耕史、生瀬勝久らと共演する中村は、和気あいあいとした現場で楽しく撮影しているという。『この恋あたためますか』(2020年/TBS系)でも中村と共演した山本は、制作発表記者会見で中村の印象が以前と変わったとコメント。「前に共演した時はちょっと対立する役だったので、あまり普段の会話をしたかというとそうでもなく。前はキリっとかっこいい感じがしてた印象なんですけど、今回はふわっとしていて、親しみやすい中村くんに毎日会ってます」と言う山本は、「人生的にもランクアップしたような感じで、そういうところからいっぱい話すことも増えた印象があります」と中村との近況を語った。(※)

 2005年に映画『七人の弔』で俳優デビューした中村は、数々の映画やTVドラマ、舞台に出演してきた。同じく2005年には、NHK朝ドラ『風のハルカ』に、2009年にはNHK大河ドラマ『天地人』に出演。2013年、第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され審査員賞を受賞した、是枝裕和監督、福山雅治主演の映画『そして父になる』に出演したほか、2014年には『ヒストリーボーイズ』で舞台初主演を飾り、第22回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。2014年は、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』にも出演した。筆者はこの頃から中村の高い演技力に注目していたが、中村が全国的なブレイクを果たしたのは2018年のNHK朝ドラ『半分、青い。』だ。

 “ゆるふわ”な雰囲気が魅力の、笑顔がキュートなモテ男・朝井正人役を演じ、大人気となった中村は、30歳を過ぎてからブレイク俳優の仲間入りを果たしたことで「遅咲き」と言われることが多い。だが、2016年の主演映画『星ガ丘ワンダーランド』ではつらい過去を抱えた青年役、2018年の『孤狼の血』では狂犬のようなチンピラ役と、『半分、青い。』のイメージとは大きく異なる、笑顔を封印するようなキャラクターも力演し、ブレイク前から、どんな役でも巧みに演じこなす実力派俳優だった。

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