『生まれ変わってもよろしく』は“生きる”ことを問う サブカップルの恋模様にも揺れ動く

目が離せない『生まれ変わってもよろしく』

生き続ける孤独と、残された人の悲しみ

 自分が去るばかりの人生だったジウムにとって、19回目の人生は特別なものとして描かれる。今までは大切な人の手を離す辛さを抱えていたが、今回は残された人の悲しみに触れていく。それは、ソハだけでなく前世での妹ユン・チョウォン(ハ・ユンギョン)や、母に対してもだ。過去に前世の記憶を覚えていると伝え、良い思いをしてこなかったジウムは、秘密を打ち明けたい気持ちをぐっと堪えながら側で彼らを見守っていく。物陰に隠れながら母との再会を夢見るシーンや、幼い頃のように妹の頭を撫でるシーンなど、何気ない1シーンに涙が溢れてしまう。そして、孤独に生きる辛さを抱えていたジウムが、今この瞬間を穏やかに生き続けたいと願う過程は、「生きるとは、死ぬとはどういうことなのだろうか」と、視聴者に問いかけてくる。

サブカップルの恋模様

 本作を紹介する上で、語らずにはいられないのが、サブカップルの恋模様。幼い頃の交通事故でソハの運転手だった父を亡くしたハ・ドユン(アン・ドング)と、姉を亡くしたユン・チョウォンだ。一目惚れのように恋に落ち、両思いのはずの二人だが、付かず離れずの距離感を保つ。まるで自分が幸せに生きることを制するかのようにチョウォンを遠ざけるドユンだが、酔った彼が一線を超えそうになるシーンは胸のときめきが止まらなくなる。そして、どこか隙があって素直でかわいすぎるチョウォンの真っ直ぐさも堪らない。早く結ばれてほしいという気持ちと、ジリジリ感をもう少し見守っていたい気持ちで、毎話揺れ動いてしまう。

 互いに思いを確かめ合っていく登場人物たちの一方で、強まっていくハラハラ感。前世の記憶を持ったまま転生を続ける理由や、ソハの知られざる過去に迫っていき、展開が気になって仕方がない。丁度良い展開速度と、映像美、魅力的なキャラクターやキャスト陣の熱演に、最後まで目が離せない。

■配信情報
『生まれ変わってもよろしく』
Netflixにて配信中
出演:シン・ヘソン、アン・ボヒョンほか
(写真はtvN公式サイトより)

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