知れば韓国ドラマが楽しくなる! コグマ、マクチャン、オモなど韓国特有の言い回しを解説

韓国ドラマがもっと楽しくなる用語解説

 韓国ドラマを観る楽しみの一つは、日本にない文化や独特の言い回しを発見することだ。今回は、ドラマで見たり聞いたりするけれど、「一体どういう意味なんだろう?」と感じる言葉や、韓国人特有の言い回し、文化について紹介しよう。

ドラマの特徴を説明する「コグマ」「サイダー」「マクチャン」


 新たに韓国ドラマを観る前に「このドラマってどう?」と韓国ドラマ好きの友達に質問することがあるのではないだろうか。そんなときに「コグマ」「サイダー」「マクチャン」という言葉を耳にしたことはないだろうか。これらは韓国ドラマの特徴を言い表す表現なのだ。

 コグマは、韓国語でサツマイモを意味する。韓国人にとって、サツマイモはとても身近な食べ物で、実際に韓国語を習い始めるとすぐに覚える単語でもある。

 サツマイモはおいしいが、食べていると喉に詰まったり、胸がつかえてしまったりすることがある。それになぞらえて「このドラマの展開は、ちょっとコグマなんだよね……」と表現するのだが、意味としては「このドラマは、ちょっと胸がつかえるような苦しいシーンが多くてすっきりしないんだよね……」となる。主人公がなかなか報われない、エンディングがすっきりしないときに使われる言葉だ。

 逆の意味で使うのがサイダーだ。サイダーも韓国人にとって身近な飲み物で、ドラマでも登場人物が飲んでいるのをよく見かける。

 サイダーはのどごしが良く、飲むとスカッと爽やかな気持ちになれることから、観るとすっきりした気分になれるドラマに使われる。主人公が悪人をバタバタと倒していく勧善懲悪のドラマがそれに当てはまるだろう。

 マクチャンは、韓国ドラマ好きにとっておなじみの言葉だが、非現実的なことが次々に起こり、ドロドロな展開をしていくドラマを指す。もともとマクチャンは「どん詰まり」を意味することから、不倫ドラマや財閥を舞台にしたドラマに多くみられる傾向がある。最近では『ペントハウス』シリーズがマクチャンドラマの代表格といえるが、とにかく見始めたら止まらない中毒性があるのが特徴だ。

 ドロドロな展開なので、主人公がとことん痛めつけられたり、ビンタの応酬があったりするのは当たり前。とらえ方によっては「胸が苦しくなるコグマ」的な要素があるのかもしれないが、コグマとの大きな違いは、あまりにも非現実的な展開が起こるので、もはやエンターテインメントとして観てしまうことだ。「ありえないだろう!」とソファに寝っ転がり、お菓子をボリボリ食べながら突っ込むのが、マクチャンドラマを観る醍醐味といえる。

韓国人がよく口にする「アイゴー」「オモ」

 韓国ドラマを観ていると、韓国人は表現が豊かだと感じることが多いだろう。それを実感する代表的な言葉が「アイゴー」だ。

 例えば大学受験に合格した主人公が、母親へ報告に行くとしよう。その母親は全身で喜びを表現し「アイゴー! よく頑張ったね」と叫ぶシーンを見たことがある人もいるだろう。

 さらに事故で子どもを亡くした母親が「アイゴー! なんてかわいそうな我が子!」と胸を叩きながら叫ぶ……というシーンもおなじみだ。このようにアイゴーは、うれしい時にも悲しい時にも使える言葉なのだ。

 日本語に訳そうとすると、なかなかぴったりマッチするものがない。あえていうなら「あらまあ!」なのかもしれないが、これだとアイゴー感が薄れるような気がする。個人的にアイゴーは、感情表現が豊かで、うれしさや悲しさに対して深く共感する韓国人ならではの言葉だと感じている。

 似たような言葉で「オモ」がある。女性が口に手を当てて「オモ!」と言うパターンが多いが、これは感動した時など、ポジティブな気分の時に使われる。日本語にするなら「わぁ!」なのだろうが、ドラマで主人公の女性が「オモオモ!」といいながら笑顔を見せたりすると、かわいらしさが倍増する。男性が使うことはあまりない言葉なので、女性をかわいらしく見せる力がある言葉だと感じる。

韓国ドラマでおなじみの「豆腐」「ワカメスープ」

 韓国でおなじみの食べ物といえば、キムチ、キンパ、インスタントラーメンがある。ドラマの中でもよく出てくるが、これ以外で重要な食べ物といえば「豆腐」と「ワカメスープ」だ。

 韓国ドラマで、刑務所から出てきた人物を迎えた人が豆腐を渡すシーンを観たことがある人も多いだろう。この意味に関しては諸説あるようだが、豆腐のように真っ白な心に生まれ変わって人生をやり直せるようにという願いが込められているそうだ。

 さらに誕生日を迎えたヒロインが、母親に作ってもらったワカメスープを食べるシーンも韓国ドラマでよく観る。韓国では昔から子を産んだあとの体力回復食として、ワカメが食べられてきたようだが、誕生日に自分を産んでくれた母親に感謝する意味を込めてワカメスープを食べる習慣があるのだ。

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