『生まれ変わってもよろしく』アン・ボヒョンの振り幅に驚き シン・ヘソンの演技力も

『生まれ変わってもよろしく』好調なスタート

 6月17日よりNetflixで配信がスタートした『生まれ変わってもよろしく』。LEEHYEによる同名のウェブ漫画が原作で、主演はアン・ボヒョン×シン・ヘソンによる転生ロマンス。配信直後よりNetflixの「今日のTV番組TOP10」上位入りを果たし1週目より好調なスタートを見せた。

 物語は、1000年にも及ぶ19回の転生を繰り返す、シン・ヘソン演じる主人公のパン・ジウムが、19回目の人生で目覚めるところから始まる。全ての前世の記憶があるジウムは、毎回8歳から12歳の間に前世の記憶が蘇る。9歳になったジウム(パク・ソイ)は、18回目の前世で、交通事故で亡くなったユン・ジュウォン(キム・シア)だったことを思い出す。ここからジュウォンだった頃に出会った少年ムン・ソハ(チョン・ヒョンジュン)との淡い初恋のシーンが続くのだが、ソハの子役として登場するチョン・ヒョンジュンと、母親イ・サンアを演じるイ・ボヨンとの『Mine』親子の再共演に嬉しくなる。本作の演出をしたイ・ナジョン監督が『Mine』の演出もしていることから、嬉しいカメオ出演が実現。「今度は本当の親子になれたのね」と韓国ドラマファンの心をくすぐる演出だ。

 大人になったジウム(シン・ヘソン)は、ソハが専務を務めるMIホテルに面接に行き、自分を雇うか、付き合うかと迫る。突然の申し出に戸惑うソハだが、ジウムのことが気になりだす。ソハは、幼い頃にジュウォンとともに乗っていた車が事故に遭い、後遺症で補聴器をつけないと耳が聞こえない状態になっていた。ソハの状態を知ったジウムは、自分の前世を告げずに、ソハに接近していくことにする。

 ソハは、母サンアが生前代表を務めていたMIホテルを自分が継ぐために、ホテルの専務として父ジョンフン(チェ・ジノ)と、父の後妻チャン・ヨンオク(ペ・ヘソン)と対立していた。ジウムは、ソハにホテルの改革案を見せることで、仮採用にこぎつける。ソハは、ジウムの自分に対する行動を思い返すうちに、過去に自分にプロポーズをした少女の頃のジウムを思い出し、ジウムにそのことを告げた。

 本作でのアン・ボヒョンの演技が、とてもいい。アン・ボヒョンは、アマチュアボクサーから2007年にモデルデビュー後、2014年『ゴールデンクロス』で俳優デビュー、以降さまざまな役でキャリアを積み重ねてきた。世界的に脚光を浴びたのは、2020年の『梨泰院クラス』のグンウォン役なのは言うまでもないだろう。パク・ソジュン演じる主人公セロイを執拗に攻撃するヴィランで、勧善懲悪の物語の中でひときわ輝くヒール役だった。

 憎い敵役だったアン・ボヒョンが、全く違う姿で登場し、世界をメロメロにしたのは、『ユミの細胞たち』シリーズ。グンウォンのグの字も見当たらない、ク・ウンに視聴者は恋をし、熱狂的なアン・ボヒョンファンが爆誕した。モデル出身の187㎝の高身長に、鍛え抜かれた逞しい肉体美と、少し鼻にかかった鼻濁音の甘えるような特徴的な声がなんとも魅力的な俳優だ。野獣のような獰猛さからセクシーな魅力まで持ち合わせ、理系男子も、影を持つ御曹司も演じられるアン・ボヒョンという役者の振り幅に驚かされる。

 本作は、これまでのどのキャラクターとも似ていないが、少年の頃の辛い境遇の影を背負うソハ役を好演していて、SNSでもアン・ボヒョンの演技にハマる声が多い。ここから物語が展開していくなかで、ジウムに惹かれていき、恋する眼差しをどんなふうに見せてくれるのか、ジウムがジュウォンだと気づいたときに、どんな顔を見せてくれるのかが楽しみでたまらない。

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