ファンから「待たれていた」続編対決 『東リべ』vs『インディ』初週は事実上ドロー

『東リべ』対『インディ』初週は事実上ドロー

 先週末の動員ランキングは、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』がオープニング3日間で動員46万9600人、興収6億500万円をあげて初登場1位に。4月に公開された前編の『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』のオープニング3日間(前夜祭上映分含む)の成績は動員42万8000人、興収5億8300万円だったので、動員比で109%と微増。熱心なファンからは後編がしっかり「待たれていた」ことを証明した。

 2位は『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。オープニング3日間の動員が44万8000人、興収が6億4800万円。つまり、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』に動員では及ばなかったものの興収ではこちらが1位。まだ外国映画の新作の公開日が土曜日だった2008年6月に公開された『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』のオープニング2日間の興収は8億600万円だった(しかもその前週には先行上映もあった)ので、さすがにシリーズとしての吸引力は落ちているものの、やはりこちらも映画ファンから「待たれていた」続編だったのだろう。

 続編を2ヶ月待たれていた『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』と、15年間待たれていた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。観客の年齢層もまったく異なっているが、その「待たれていた」期間の違いは今後『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』に有利に働くだろう。ウィークデイに入ってから、熱心なファンが一巡して落ち着きをみせている『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』に対して、新作の存在を知った年配のファンを集めている『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、同時期に大人向きの実写外国映画に強い作品がないこともあって着実に動員を積み上げている。

 今週末も強い公開作がないので、このままでいくと『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2週目にして動員でも1位に立つ可能性も。そして、いよいよ来週金曜日、7月14日には宮﨑駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』が公開される。ポスタービジュアル1枚を除いて、ここまで完全に情報がシャットダウンされている本作。鈴木敏夫プロデューサーはNHKの取材(※)でその理由について「普通にやったら絶対(製作費を)回収できないから、みんなが思っている数字の上を行くためにはこれしか方法がないんです。いろんな映画を手堅くやってきて、それで自分が終わっちゃうのが寂しかったですよね」と語っている。作品そのものへの期待はもちろんのこと、この宣伝方法(公開前は事実上ゼロなので「方法」と呼ぶのも躊躇うが)がもたらす結果、そして公開後に作品がどのように広がっていくかについても興味が尽きない。

参照

※ https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230706/k10014119971000.html

■公開情報
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
全国公開中
監督: ジェームズ・マンゴールド
出演:ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセン
製作:キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、サイモン・エマニュエル 
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス
音楽:ジョン・ウィリアムズ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny
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