ライバルの存在が物語を熱くする! アニメにおける魅力的なライバル関係5選
アニメの世界には、キャラクターたちが織り成す様々なライバル関係が存在している。互いの力を引き出し合い、熱いバトルや感動的な成長をもたらす関係は、アニメを観る上で欠かせない要素でもある。本稿では、アニメ作品から選りすぐりのライバル関係に焦点を当て、作品内でライバル関係がどのように描かれているのかを紹介していく。
『呪術廻戦』五条悟&夏油傑
『呪術廻戦』は、人間の負の感情から生まれる化け物・呪霊を、呪術を使って祓う呪術師たちの闘いを描いた作品。
五条悟と夏油傑は呪術高専時代の同級生で、この世で数少ない特級呪術師の2人でもある。2人は、強さと自分にはない能力を持っていることに惹かれ合いコンビを組み、共に事件を解決しながら実力を高め合う親友でありライバル的存在となっていく。しかし、非呪術師を守るという意識の違いから生じたとある事件をきっかけに決別してしまう。
『劇場版 呪術廻戦 0』では、夏油にトドメを刺す前に五条が言った言葉を聞いた夏油が「はっ、最後くらい呪いの言葉を吐けよ」と、唖然としながらも笑う姿が描かれた。完全に決別した後も、お互いにとってかけがえのない存在だったということがこの場面から読みとれた。
そして、7月6日より放送が開始されるTVアニメ第2期では、そんな2人の高専時代の物語「懐玉・玉折」が描かれ、その決別した過去が明らかとなる。また、キャッチコピーは、「最強の2人 戻れない青い春」となっている。
『SLAM DUNK』桜木花道&流川楓
『SLAM DUNK』は、主人公の桜木花道の挑戦と成長を軸にしたバスケットボールを題材にした作品。
バスケットボール初心者でありながら類まれな身体能力とたゆまぬ努力で成長していく「自称・天才」の桜木と、中学時代から県内トップクラスの実力を持ち「スーパールーキー」と評される流川楓。桜木が流川を嫌いになったきっかけは、好意を寄せていた赤木晴子に対し、流川が冷たい態度を取ったからという理由からだが、桜木だけが一方的にライバル視していたわけではない。というのも、インターハイの前に2人は1on1で対決をしており、その時のことについて流川は、山王工業での試合において「オレに全力を出させたんだからよ」と語っており、流川も桜木をライバルとして認めているように読み取れる。
このように、流川をライバル視することで急激な成長を続ける桜木と、そんな花道の成長を誰よりも理解しているとも言える流川は、反発しつつも高め合うライバル関係となっていった。
『僕のヒーローアカデミア』緑谷出久&爆豪勝己
『僕のヒーローアカデミア』は、“個性”と呼ばれる超常能力を持つ人々の存在が当たり前の世界を舞台に、無個性だった主人公のデクが最高のヒーローを目指して成長していく姿を描いた作品。
緑谷出久(デク)と爆豪勝克は、幼なじみでありながら、複雑なライバル関係にある。 それぞれの思い描くヒーロー像の違いもありぶつかり合う姿が作中では見られたが、オールマイトの引退をきっかけに、以前は「勝つ」ことに固執していた爆豪にとってのヒーロー像が変化していく。
大きすぎる力を手にしてしまったが故に、協調性や共闘を忘れかけているデクと、デクの力を認め、ライバルとして心配していく爆豪。変化し続ける2人の姿は、作品の根幹を表すものとなっている。